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蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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各務原市の蕃塀(2)旧各務原市内

 岐阜県神社庁のホームページによれば、各務原市には104社の神社が記載されている。このうち旧羽島郡川島町以外の旧各務原市には87社の神社があり、私はこの2月中にこの87柱の神社を踏破できたが、このうち蕃塀を持つ神社は既に紹介した蘇原東島津島神社、蘇原寺島神明神社(大神宮)、蘇原六軒神明神社、前渡東町1(長平)神明神社、鵜沼熊野神社、鵜沼津島神社、鵜沼三ツ池神明神社の7例がある。

 この他の那加桐野諏訪神社、那加北洞白山神社、蘇原宮代若宮八幡神社、那加金刀比羅神社、那加西市場神明神社、那加東亜八幡神社、那加御鍬神社、那加前野八幡神社、那加土山諏訪神社、那加山後八幡神社、那加手力雄神社、那加縣神社、那加村上神社、蘇原持田白山神社、蘇原飛鳥田神社、蘇原飛鳥津島神社、蘇原坂井八幡神社、蘇原興亜八幡神社、蘇原柿沢稲荷神社、蘇原旭神社、蘇原吉新稲荷神社、蘇原大島稲荷神社、蘇原伊吹八坂神社、蘇原古市場神明神社、蘇原加佐美神社、蘇原熊田日吉神社、蘇原野口神明神社、蘇原島崎神明神社、前渡西神明神社、前渡北北野神社、前渡東八幡神社、前渡東9神明神社、前渡市杵島神社、前渡熊野神社、前渡白鬚神社、前渡西神明神社、前渡祇園神社、前渡秋葉神社、下切津島神社、松本白鬚神社、下中屋春日神社、上中屋天神神社、上中屋秋葉神社、上戸春日神社、山脇秋葉神社、山脇若宮神社、大佐野神明神社、上中屋金刀比羅神社、神置熊野八幡神社、神置秋葉神社、大野白山神社、大野熊野神社、成清社宮神社、三井御井神社、小佐野神明神社、新加納日吉神社、各務東神明神社、苧ヶ瀬神社、各務おがせ3-46村国神社、各務おがせ3-85村国神社、各務おがせ3神明神社、各務おがせ6神明神社、各務山の前八幡神社、各務西町金山神社、各務西町1神明神社、各務西町2神明神社、各務西町3神明神社、須衛神明神社、須衛八幡神社、鵜沼北野神社、鵜沼村国真墨田神社、鵜沼赤坂神社、鵜沼白山神社、鵜沼二ノ宮神社、鵜沼八坂神社、鵜沼古市場神明神社、鵜沼羽場神明神社、松が丘愛宕神社、鵜沼熱田神社、鵜沼川崎神明神社の80柱には蕃塀は存在しないことが確認された。また、岐阜県神社庁の資料には存在しない鵜沼南本郷神社、下中屋西宮神社、各務おがせ金比羅神社、各務おがせ八大白龍大神、各務おがせ八大龍王、蘇原六軒不明神社の6社にも蕃塀は認められなかった。

 岐阜県南部(旧美濃国)にある旧羽島郡川島町以外の旧各務原市では、岐阜県神社庁のリスト中の約8.0%の神社で蕃塀が存在することが判明した。各務原市は少ないながらも蕃塀が存在する地域といえるが、旧川島町では約29.4%の神社で蕃塀が存在しており、突出して割合が高いことは留意しておきたい。
# by banbeimania | 2024-03-16 18:48 | 探索の記録 | Comments(0)

各務原市鵜沼三ツ池神明神社の蕃塀

 岐阜県各務原市鵜沼三ツ池町2丁目に所在する神明神社は、岐阜県神社庁のホームページによれば、安永5(1776)年に創建されたという。境内に拝殿礎石が残されており、その石碑には明治35(1902)年に再建され昭和34(1959)年伊勢湾台風で倒壊した拝殿の礎石と解説されていた。祭神は天照皇大神である。

 鵜沼三ツ池神明神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.3m、全高約2.2m、屋根長約3.32m、屋根巾約0.6mを測り、両側に控え柱を持たない。

 詳細な構造は次の通り。基壇を持たず直接地面に礎石を置き、その上に円柱を2本立てて屋根石を載せる。円柱の内側には下から地貫、羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は隅丸角柱による束柱を2本立て3区画に分け、全区画の表面に四隅を内側へ窪ませ円紋を配置させた方形枠が施されている。中央の区画の裏面には「寄附人 三名」、左側円柱裏面のやや内側に「大正□(十ヵ)三□(年ヵ)三□(月ヵ)の文字が刻まれていた。欄間部は束柱を1本立て2区画に分けて、両区に四隅を扇形に内側へ膨らませた状態に変形させた方形枠の内部に左巻き三つ巴紋2個を配置させた板石材を嵌め込んでいる。円柱の柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を12本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された照り屋根が2段に重なり、棟木石は断面方形の角材が置かれている。

 鵜沼三ツ池神明神社は、正面から一の鳥居、灯籠群、二の鳥居、蕃塀、灯籠、狛犬から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿)に至る社殿構成を持つ。

 鵜沼三ツ池神明神社の蕃塀は、大正13(1924)年に製作されたものだが、作者は不明である。この石造連子窓型蕃塀は、連子窓部の竪連子がやや太く作られており、このため竪連子との隙間が非常に狭いものとなっている。結果として向こう側がほぼ見えない蕃塀といえる。
各務原市鵜沼三ツ池神明神社の蕃塀_e0113570_19100594.jpg

# by banbeimania | 2024-03-13 19:11 | 蕃塀の事例 | Comments(0)

各務原市鵜沼津島神社の蕃塀

 各務原市鵜沼羽場町1丁目に所在する津島神社は、岐阜県神社庁のホームページによれば、創立年代は不詳であるが、元本町字松田に鎮座していた神社を慶長年中に現在の巾上に遷座したと記されている。拝殿は濃尾震災に倒壊し、明治26(1893)年に再建されたという。祭神は素盞嗚命と表筒男命である。

 鵜沼津島神社の蕃塀は、3間巾の木造銅板葺き連子窓型蕃塀である。大きさは概略で、本体長約4.7m、全高約2.9m、屋根長約5.5m、屋根巾約2.3mで、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。切石を周囲に配したコンクリート製基壇に礎石と石製布基礎を置き、その上に角柱を4本立てて下から順に地貫、腰長押、内法長押を通し、上端は棟木を渡す。内法長押の上位に雲形肘木と簡略雲形腕木を架し、表裏両面の出桁を支え垂木を渡して屋根板を載せている。屋根は切妻造りの反り屋根で、桟瓦葺きされていた。大棟は熨斗瓦を積み重ねて造られ、その両端は鬼瓦が設置されていた。蕃塀の中央には竪連子窓が設けられており、その上には漆喰壁が施され、下には縦羽目板が嵌め込まれていた。控え柱は礎石上に高さ約1.9mの木製角柱を立てて造られ、石製布基礎と木製地貫が置かれ、控え貫2本も木製であった。表面は一部が剥げているものの、竪連子窓部を除く大部分が朱彩されていたとみられる。柱と長押が交差する部分には餝金具が設けられ、懸魚などに見られる彫刻は細工が細かい。

 鵜沼津島神社は、正面から鳥居、蕃塀、市指定重要有形民俗文化財の皆楽座、灯籠、狛犬、基壇上の本殿施設群に至る構成を持つ。

 鵜沼津島神社の蕃塀は、製作年代や作者は不明である。本蕃塀は農村舞台建築の典型例である「皆楽座」とともに平成18年5月に各務原市により重要有形民俗文化財に指定されたものであるが、その名称は「皆楽座 付津島神社藩塀」となっている。なお、「蕃塀」と「藩塀」は音が同じで字形も似ており、混用されることが多い。現在は蕃塀と本殿の間に巨大な皆楽座が存在してその配置は奇異であるが、各務原市歴史民俗資料館1995『各務原市の農村舞台』によれば、羽場区有文書「明治16年津島神社図」には今の皆楽座の位置に5間×3間の拝殿があったと記されており、本来は鳥居→蕃塀→拝殿→本殿の配置であったと推定される。明治24(1891)年の濃尾震災により拝殿が倒壊した後に色々と再建や修築がされたようであるが、皆楽座の移設などに伴い蕃塀の位置も移動しているのではないかと想像される。また、『各務原市の農村舞台』によれば、蕃塀は地元では「御切り(みきり)」と称すという。鵜沼津島神社の蕃塀そのものは、やや大型で彩色もあり優美なものである。控え柱が大きいことも特徴の一つといえる。
各務原市鵜沼津島神社の蕃塀_e0113570_18482668.jpg

# by banbeimania | 2024-03-10 18:51 | 蕃塀の事例 | Comments(2)

各務原市鵜沼熊野神社の蕃塀

 岐阜県各務原市鵜沼大字大伊木字伊木山に所在する熊野神社は、岐阜県神社庁のホームページによれば、創立年代は不詳であるが、「文政十年六月十一日奉上葺熊野三所大権現神徳増長社頭不朽云々総代氏子大伊木村中」と記された棟札があるという。明治42(1909)年に本殿の改造し、昭和12(1937)年に祭文殿の新築や神域の整備が行われた。祭神は家津御子神と熊野久須美神と速玉男神である。

 鵜沼熊野神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.2m、全高約2.3m、屋根長約3.1m、屋根巾約0.6mを測り、両側に控え柱を持たない。

 詳細な構造は次の通り。二重のコンクリート製基壇に礎石と石製布基礎を置き、その上に円柱を2本立てて屋根石を載せる。なお、コンクリート製基壇の上段は周囲に切石が配されている。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は隅丸角柱による束柱を2本立て3区画に分け、全区画の表裏両面に四隅を扇形に内側へ膨らませた状態に変形させた方形枠が施されている。左側の区画の裏面には「昭和二年拾貮月建之 (人名6名分)」の文字が刻まれていた。欄間部は束柱を1本立て2区画に分けて各区に四隅を扇形に内側へ膨らませた状態に変形させた方形透かしを施す。円柱の柱頭に腕木板が前後と外側にあり、連子窓部は角柱を10本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出されたほぼ直線屋根で、棟木石は断面方形の角材を2段積み、上位の両端は横に突き出る形状である。

 鵜沼熊野神社は、正面から灯籠群、一の鳥居、灯籠群、二の鳥居、灯籠群、蕃塀、1段上がり狛犬、木造平入拝殿、渡殿から本殿に至る社殿構成を持つ。

 鵜沼熊野神社の蕃塀は、昭和2(1927)年に製作されたが、作者は不明である。前度東神明神社の蕃塀と同様に、欄間部に隅丸方形の透かしを持ち、かつ羽目板部が3間巾で全て方形枠タイプの組合せであり、本例で52例目を数える。この組合せの石造連子窓型蕃塀は各務原市にもそれなりに普及していたといえる。
各務原市鵜沼熊野神社の蕃塀_e0113570_19375393.jpg

# by banbeimania | 2024-03-07 19:39 | 蕃塀の事例 | Comments(0)

各務原市前度東神明神社の蕃塀

 岐阜県各務原市前渡東町1丁目に所在する(長平)神明神社は、岐阜県神社庁のホームページによれば、建保年間以前に創建され『美濃國神明帳』に記載される旧各務郡の石瀬大明神に当たるという。元亀年間の大洪水により一部流失したが、天正三年に社殿を改築し「奉遷宮石瀬神明社天正十二年二月十六日」と記された棟札が残る。祭神は天照大神である。

 前度東神明神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.7m、全高約2.1m、屋根長約3.3m、屋根巾約0.6mを測り、両側に控え柱を持たない。

 詳細な構造は次の通り。切石を周囲に配した低いコンクリート製基壇に礎石と石製布基礎を置き、その上に円柱を2本立てて屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は隅丸角柱による束柱を2本立て3区画に分け、全区画の表裏両面に四隅を扇形に内側へ膨らませた状態に変形させた方形枠が施されている。左側の区画の裏面には「那加 石工山田 昭和四年拾貮月建之 (人名2名分)」の文字が刻まれていた。欄間部は束柱を1本立て2区画に分けて各区に四隅を扇形に内側へ膨らませた状態に変形させた方形透かしを施す。円柱の柱頭に腕木板が前後と外側にあり、連子窓部は角柱を13本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された直線屋根で、棟木石は断面方形の角材を2段積み、上位の両端は横に突き出る形状である。

 前度東神明神社は、正面から鳥居、灯籠群、狛犬、蕃塀、灯明台、壁の無い木造平入拝殿、渡殿から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿)に至る社殿構成を持つ。

 前度東神明神社の蕃塀は、昭和4(1929)年に那加の石工山田(現在の各務原市那加門前町所在山田石材店か)により製作されたものである。これまでの分析で、石造連子窓型蕃塀は、欄間部に隅丸方形の透かしを持ち、かつ羽目板部が3間巾で全て方形枠タイプの組合せの事例が50例あって最も多いことが判明している。この組合せの石造連子窓型蕃塀の製作者は、名古屋市、一宮市、江南市、小牧市、稲沢市、岩倉市、北名古屋市、岡崎市に所在する17者の石工が確認されており、特定の生産者に偏らない特徴がある。本例のように岐阜県所在の石工もこのタイプの石造連子窓型蕃塀の製作していたのであった。
各務原市前度東神明神社の蕃塀_e0113570_18250405.jpg

# by banbeimania | 2024-03-05 18:27 | 蕃塀の事例 | Comments(0)