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木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、現在は腕木と肘木の組合せを大別して屋根の形状の特徴を検討している。今回は簡略雲形腕木と湾曲肘木の組合せを持つ事例の屋根について考察してみる。
簡略雲形腕木と湾曲肘木の組合せ(全25例)を持つ蕃塀の屋根のタイプは、銅板葺き直線屋根Bタイプ1類が3例、桟瓦葺き屋根Dタイプ・銅板葺き直線屋根Cタイプ・銅板葺き反り屋根Aタイプ2類・銅板葺き反り屋根Bタイプ4類がそれぞれ2例、桟瓦葺き屋根Aタイプ1類・桟瓦葺き屋根Aタイプ3類・桟瓦葺き屋根Bタイプ・銅板葺き直線屋根Aタイプ・銅板葺き直線屋根Bタイプ2類・銅板葺き直線屋根Bタイプ3類・銅板葺き直線屋根Dタイプ・銅板葺き反り屋根Aタイプ4類・銅板葺き反り屋根Bタイプ1類・銅板葺き反り屋根Bタイプ2類・銅板葺き反り屋根Cタイプ2類・銅板葺き反り屋根Dタイプ・銅板葺き反り屋根Eタイプ3類・桧皮葺き屋根Dタイプがそれぞれ1例ずつ認められる。 結果、大棟の両端が外側に突き出てかつ大棟脇にある補助材も少し外側に突き出ていて、大棟の断面形は横幅の方が長い銅板葺き直線屋根Bタイプ1類が3例と最も多く、銅板葺き直線屋根は全部で9例(36%)存在することが明らかになった。ただ、全体としては特に偏った傾向を読み取ることは難しい。 木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、現在は腕木と肘木の組合せを大別して屋根の形状の特徴を検討している。今回は簡略雲形腕木と簡雲形肘木の組合せを持つ事例の屋根について考察してみる。
簡略雲形腕木と簡雲形肘木の組合せ(全14例)を持つ蕃塀の屋根のタイプは、銅板葺き反り屋根Bタイプ1類・銅板葺き反り屋根Bタイプ2類がそれぞれ3例、銅板葺き反り屋根Aタイプ1類が2例、桟瓦葺き屋根Cタイプ3類・銅板葺き反り屋根Aタイプ1類・銅板葺き反り屋根Bタイプ4類、銅板葺き反り屋根Gタイプ・桧皮葺き屋根Aタイプ・桧皮葺き屋根Bタイプがそれぞれ1例ずつ認められる。 結果、大棟の両端に鬼板を置き、屋根板が厚く、屋根側面(破風)の最上部が普通に水平面を持つ銅板葺き反り屋根Bタイプが半数の7例存在することが明らかになった。桟瓦葺き屋根も1例認められるが、桧皮葺き屋根が2例あることなどからみて、簡略雲形腕木と簡略雲形肘木の組合せは重厚な屋根に用いられたものと思われる。 ![]() 木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、現在は腕木と肘木の組合せを大別して屋根の形状の特徴を検討している。今回は簡略雲形腕木と雲形肘木の組合せを持つ事例の屋根について考察してみる。
簡略雲形腕木と雲形肘木の組合せ(全8例)を持つ蕃塀の屋根のタイプは、桟瓦葺き屋根Aタイプ1類が2例、銅板葺き直線屋根Bタイプ3類、銅板葺き直線屋根Cタイプ、銅板葺き反り屋根Bタイプ1類、銅板葺き反り屋根Bタイプ2類、銅板葺き反り屋根Gタイプ、銅板葺き反り屋根Hタイプがそれぞれ1例ずつ認められる。 結果、側面に並掛瓦が用いられ大棟の鬼瓦に経の巻型鬼瓦が使用され、降棟が両端に1列ありその先端付近に留蓋瓦を置く桟瓦葺き屋根Aタイプ1類がやや多く2例あるが、一方で、銅板葺き反り屋根・銅板葺き直線屋根もそれなりに存在している。桧皮葺き屋根は無いことから、重厚な屋根には簡略雲形腕木と雲形肘木の組合せを使用しないものと思われる。 木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、現在は腕木と肘木の組合せを大別して屋根の形状の特徴を検討している。今回は簡略雲形腕木と雲形彫刻入り肘木の組合せを持つ事例の屋根について考察してみる。
簡略雲形腕木と雲形彫刻入り肘木の組合せ(全24例)を持つ蕃塀の屋根のタイプは、銅板葺き反り屋根Cタイプ1類が3例、桟瓦葺き屋根Cタイプ2類・銅板葺き反り屋根Bタイプ1類・銅板葺き反り屋根Bタイプ4類・銅板葺き反り屋根Cタイプ2類・桧皮葺き屋根Bタイプがそれぞれ2例、桟瓦葺き屋根Aタイプ1類・桟瓦葺き屋根Aタイプ2類・桟瓦葺き屋根Bタイプ・桟瓦葺き屋根Cタイプ1類・桟瓦葺き屋根Dタイプ・銅板葺き直線屋根Bタイプ2類・銅板葺き直線屋根Cタイプ・銅板葺き反り屋根Eタイプ2類・銅板葺き反り屋根Fタイプ・銅板葺き反り屋根Iタイプ・桧皮葺き屋根Aタイプがそれぞれ1例ずつ認められる。 結果、大棟の両端に鬼板を置き、屋根板が厚く、屋根側面(破風)の最上部が幅狭く水平面を持つ銅板葺き反り屋根Cタイプがやや多いが、一方で桧皮葺き屋根・銅板葺き反り屋根・銅板葺き直線屋根・桟瓦葺き屋根が全て揃っている。あまり偏った分布を示さないものと思われる。
木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、現在は腕木と肘木の組合せを大別して屋根の形状の特徴を検討している。前回までに雲形彫刻入り腕木を持つ3種について考えたが、今回は雲形腕木を持つ2種について考察してみる。
雲形腕木と湾曲肘木の組合せ(全2例)を持つ蕃塀の屋根のタイプは、銅板葺き反り屋根Bタイプ4類と桧皮葺き屋根Bタイプが各1例ずつであった。一方、雲形腕木のみを置く(全2例)蕃塀の屋根のタイプは、銅板葺き直線屋根Bタイプ3類と銅板葺き反り屋根Eタイプ2類が各1例ずつであった。 結果、例数が少ないため断定的なことはいえないが、雲形彫刻入り腕木の場合と同様に、どちらかと言えば重厚な感じの屋根が多いようにみられる。 木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、現在は腕木と肘木の組合せを大別して屋根の形状の特徴を検討している。前回は、雲形彫刻入り腕木と雲形彫刻入り肘木を見たが、今回は雲形彫刻入り腕木と湾曲肘木・雲形彫刻入り腕木のみを置くものについて考えてみる。
雲形彫刻入り腕木と湾曲肘木の組合せ(全15例)を持つ蕃塀の中で、屋根のタイプは、桧皮葺き屋根Bタイプが3例、銅板葺き反り屋根Bタイプ1類・銅板葺き反り屋根Cタイプ2類・銅板葺き反り屋根Fタイプがそれぞれ2例、銅板葺き直線屋根Bタイプ3類・銅板葺き反り屋根Aタイプ1類・銅板葺き反り屋根Cタイプ1類・銅板葺き反り屋根Eタイプ2類・銅板葺き反り屋根Jタイプ・桧皮葺き屋根Aタイプがそれぞれ1例ずつ認められる。 結果、桧皮屋根の表面が銅板で覆われ、大棟に鬼板が使用されるものが3例で最も多く、それ以外の大半は大棟の両端に鬼板を置き屋根板が厚い銅板葺き反り屋根A〜Eタイプであった。雲形彫刻入り腕木と湾曲肘木の組合せは重厚感溢れる屋根に多く存在することが判明した。 雲形彫刻入り腕木のみを置く蕃塀は全部で2例存在するが、屋根は銅板葺き反り屋根Aタイプ3類と桧皮葺き屋根Aタイプであった。例数が少ないため分からないが、雲形彫刻入り腕木と雲形彫刻入り肘木の組合せと雲形彫刻入り腕木と湾曲肘木の組合せと似たような傾向を示していると言えそうである。 木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、これまでにその腕木と肘木の組合せを市区町村別に整理してきた。現在は腕木と肘木の組合せを屋根の形状別に考察している。これまでに屋根の形状を4類に大別して腕木と肘木の組合せを検討し終えた。今回からは、逆に「腕木と肘木の組合せ」を大別して「屋根の形状」の特徴を見ていきたい。結果、これまで明らかになったことが再認識される結果のみに終わる可能性もあるが、ここはマニアだから手間を惜しまないで進めてみよう。
腕木と肘木の組合せの形状は、大きく雲形彫刻入り腕木と雲形彫刻入り肘木、雲形彫刻入り腕木と湾曲肘木、雲形彫刻入り腕木のみを置くもの、雲形腕木と湾曲肘木、雲形腕木のみを置くもの、簡略雲形腕木と雲形彫刻入り肘木、簡略雲形腕木と雲形肘木、簡略雲形腕木と簡略雲形肘木、簡略雲形腕木と湾曲肘木、雲形腕木と湾曲肘木、簡略雲形腕木と方形肘木、簡略雲形腕木のみ、方形銅板錺腕木と方形銅板錺肘木、湾曲腕木と雲形彫刻入り肘木、湾曲腕木と湾曲肘木、斜め腕木と雲形彫刻入り肘木、斜め腕木と斜め肘木、斜め腕木のみ、方形腕木と湾曲肘木、方形腕木と斜め肘木、方形腕木と方形肘木Aタイプ、方形腕木のみの22種がある。 ![]() まずは、雲形彫刻入り腕木と雲形彫刻入り肘木の組合せ(全7例)から検討しよう。雲形彫刻入り腕木と雲形彫刻入り肘木の組合せを持つ蕃塀の中で、屋根のタイプは、銅板葺き反り屋根Bタイプ2類と銅板葺き反り屋根Cタイプ1類が2例存在する他は、銅板葺き反り屋根Bタイプ1類、銅板葺き反り屋根Bタイプ3類、銅板葺き反り屋根Eタイプ2類がそれぞれ1例ずつ認められる。 結果、大棟の両端に鬼板を置き、屋根板が厚く、屋根側面(破風)の最上部が水平面を持つ銅板葺き反り屋根BタイプとCタイプ、および大棟の両端に鬼板を置き、屋根板が厚く、屋根側面(破風)の最上部が曲面を持って丸くなる銅板葺き反り屋根Eタイプに限定されていることが判明し、強い相関関係があることが判明した。 木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、これまでにその腕木と肘木の組合せを市区町村別に整理してきた。現在は腕木と肘木の組合せを屋根の形状別に検討している。屋根の形状は4類に大別されるが、前々回までに各類の腕木と肘木の組合せを考えてきた。今回は、肘木を検討してみる。
肘木の形状を大きく、雲形彫刻入り肘木・雲形肘木・簡略雲形肘木・湾曲肘木・斜め肘木・方形肘木・肘木なしの7類に大別し、桧皮葺き屋根・銅板葺き反り屋根・銅板葺き直線屋根・桟瓦葺き屋根ごとにその割合をグラフにしたのが下図である。 この結果、腕木のように、桧皮葺き屋根・銅板葺き反り屋根・銅板葺き直線屋根・桟瓦葺き屋根の順に美しく増減する肘木は、雲形肘木ぐらいしか認められないことが分かる。例えば、腕木では複雑な雲形彫刻入り腕木を多く持つ屋根は桧皮葺き屋根であったが、肘木については全く逆の桟瓦葺き屋根でその割合が高くなっているのだ。この中で腕木と肘木が屋根の大分類ごとに似たような増減の傾向を示しているのは、方形腕木と方形肘木ぐらいだろう。方形腕木と方形肘木は、桟瓦葺き屋根・桧皮葺き屋根・銅板葺き反り屋根・銅板葺き直線屋根の順に増加している。 屋根の形状と肘木の形状にある程度の相関関係があることは確かだが、それが腕木のようなシンプルな傾向を示しているのではなく、内容は複雑であった。 ![]()
木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、これまでにその腕木と肘木の組合せを市区町村別に整理してきた。現在は腕木と肘木の組合せを屋根の形状別に検討している。屋根の形状は4類に大別されるが、前回までに各類の腕木と肘木の組合せを考えてきた。今回からはこれをまとめてみたいと思う。まずは、腕木から検討しよう。
腕木の形状を大きく、雲形彫刻入り腕木・雲形腕木・簡略雲形腕木・湾曲腕木・斜め腕木・方形腕木の6類に大別し、桧皮葺き屋根・銅板葺き反り屋根・銅板葺き直線屋根・桟瓦葺き屋根ごとにその割合をグラフにしたのが下図である。 この結果、桧皮葺き屋根・銅板葺き反り屋根・銅板葺き直線屋根・桟瓦葺き屋根の順に、最も複雑な形状である雲形彫刻入り腕木と雲形腕木が減少し、逆に簡略雲形腕木は増加している。方形肘木も概ね増加している傾向を見せるが、桟瓦葺き屋根で急激に減少に転じていることも判明した。 屋根の形状と腕木の形状の複雑さがある程度の相関関係があること(リンクしていること)が明らかになったと言える。 ![]()
木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、これまでにその腕木と肘木の組合せを市区町村別に整理してきた。現在は腕木と肘木の組合せを屋根の形状別に検討している。屋根の形状は4類23タイプ38類に分類されるが、前回から銅板葺き反り屋根(全85例)の腕木と肘木の組合せを考えている。
前回は、腕木と肘木の組合せ別の銅板葺き反り屋根を持つ蕃塀の例数を列挙した。この結果、簡略雲形腕木と方形肘木の組合せが最も多く8例であった。これを腕木のみに着目すると、簡略雲形腕木が47例(約55%)、雲形彫刻入り腕木が18例(約21%)の順に多く存在し、方形腕木も14例認められた。一方、肘木のみに着目すると、湾曲肘木が24例(約28%)、方形肘木が20例(約24%)、雲形彫刻入り肘木が19例(約22%)の順に多くなっている。 以上のことから、銅板葺き反り屋根を持つ蕃塀の腕木と肘木の組合せは、数量からみると簡略雲形腕木・湾曲肘木・方形肘木などを持つものが目立っているとなり、桟瓦葺き屋根を持つ蕃塀と同様に、簡素な形状が多いと言えそうである。しかし、雲形彫刻入り腕木が18例(約21%)も存在することは、他の屋根では認められない特徴であることも指摘しておきたい。
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