蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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名古屋市中川区柳川須佐之男社の蕃塀

 名古屋市中川区柳川7丁目に所在する須佐之男社は、慶長年間(1596〜1614)に熱田区住吉町住吉神社とともに堀川の東西に奉鎮されたもので、津島神社より勧請されている。昭和14年(1939)に本殿などの社殿が竣成されたが戦災に焼け、昭和27年(1952)に再建され、平成12年(2000)に大規模な修復が行われた。社名などからみて、主祭神は建速須佐之男命と推測される。

 柳川須佐之男社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.6m、全高約2.3m、屋根長約3.0m、屋根巾約0.5mを測り、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。基壇を持たず直接地面に礎石と石製布基礎を置き、礎石上に円柱を2本立てて屋根石を載せている。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は幅広の角柱による束柱を2本立て3区画に分けられ石板が嵌め込まれ、その表面には角を丸く加工した方形枠が設けられていた。中央の羽目板裏面には「昭和十二年九月 奉納 (人名1名分)」の文字が刻まれていた。欄間部は中央に「須佐之男社」と記された扁額を置き2区画に分けられ、石板が嵌め込まれ角を丸く加工した方形枠内に木瓜紋が表現されていた。円柱の柱頭には腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を8本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、上部に載せた棟木石の両端は外側に突き出ている。

 柳川須佐之男社は、正面から灯籠、鳥居、蕃塀、灯籠2対、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、灯籠、渡殿から基壇上の本殿施設群(本殿など)に至る構成を持つ。

 柳川須佐之男社の蕃塀は、昭和12年(1937)に製作されたものと考えられるが、作者は不明である。昭和14年(1939)に本殿などの社殿が竣成されているので、蕃塀もこれに合わせて建造されたものと思われる。本蕃塀は欄間部に扁額を置きその両側に家紋が施される石造連子窓型蕃塀であった。欄間部の両側に家紋が施される事例には、一宮市尾西西萩原八幡神社の蕃塀、一宮市島村宇夫須那神社の蕃塀、一宮市立野天神社の蕃塀、名古屋市北区中杉神明社八幡社の蕃塀、春日井市如意申六所社の蕃塀、稲沢市祖父江山崎川原神明社の蕃塀、稲沢市祖父江高熊八幡社の蕃塀の7事例があるが、やや意外なことに中央に扁額を持つものは本例が初例であった。
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by banbeimania | 2009-04-15 22:18 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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