石造連子窓型蕃塀の欄間部は大きく17類に区分でき、現在はそのうちの2番目の、頭部を両端に据える双龍紋が表現される事例について検討している。この頭部両端型の双龍紋はさらに6類に細分でき、これまでにAタイプからEタイプの5種について説明してきた。今回は最後のFタイプを紹介したい。
頭部両端型双龍紋Fタイプの欄間部は、中央に束柱を持ち、上端部のみに透かしがあるものを指しており、このタイプは1例しか確認されていない。
海部郡七宝町藤島神社の蕃塀の欄間部
この海部郡七宝町藤島神社の蕃塀は1921年に名古屋市西区八坂町の石工角田六三郎によって製作されたものである。角田六三郎製作の蕃塀としては古い時期の作品であるということができよう。