前々回から頭部を左端と中央付近に据える双龍紋が表現される欄間部を具体的に紹介している。今回は、頭部左端&中央型双龍紋Cタイプを取り上げてみる。中央に扁額を持つが透かしがない頭部左端&中央型双龍紋Cタイプの欄間部を持つ石造連子窓型蕃塀には、清須市阿原河原神社の1例のみが存在する。
清須市阿原河原神社の蕃塀の欄間部
これらの製作年と製作者に着目すると、清須市阿原河原神社の蕃塀は作者が不明だが1999年に造られている。他に類例がないため、確定的なことは言いがたいが、頭部左端&中央型双龍紋Cタイプの欄間部は新しいものに限定されているといえよう。