今回から具体的に、欄間部に神社名を大きく彫刻した事例を紹介していきたい。まずは、神社名Aタイプを取り上げてみる。
複数枚の石板が嵌め込まれその間に束柱を設ける「神社名Aタイプ」の欄間部を持つ石造連子窓型蕃塀には、一宮市北方大日霎社、丹羽郡大口町大御堂縣神社、西春日井郡豊山町豊場神明社の3社に事例が認められる。
一宮市北方大日霎社の蕃塀の欄間部
丹羽郡大口町大御堂縣神社の蕃塀の欄間部
西春日井郡豊山町豊場神明社の蕃塀の欄間部
これらを製作年代に着目すると、1953年に大御堂縣神社、1968年に北方大日霎社、1975年に豊場神明社の順に築造されたことが分かり、いずれも戦後に製作されたことが判明する。一方、製作者については、3事例とも不明であった。。