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獅子紋を置く2間の羽目板部(その6)
前回は、獅子紋が表現される2間の羽目板部の中で、両獅子紋Cタイプを取り上げた。両獅子とも前後の脚を地面に着けるが、腰を高くあげるCタイプの羽目板部を持つ石造連子窓型蕃塀は、全部で6事例が存在するが、今日はそのうちの残り3例を例示する。
さて、これらを製作年に着目すると、1934年に愛西市北一色八幡社、1962年に名古屋市中川区昭和橋通春日神社、1963年に稲沢市天池東八幡社、1980年に一宮市千秋加納馬場日吉社、1993年に名古屋市港区西ノ割熱田社の蕃塀がそれぞれ製作されたことが判明したが、春日井市上野神明神社のみが製作年は不明である。この結果、概ね1930年代と1960年代と1980年代以降の3時期に、Cタイプの蕃塀が造られたとまとめることができよう。最も古い1934年の愛西市北一色八幡社の事例は、獅子の尾は丸まった形であるのに対して、1960年代以降の事例は尾の先端が尖る形に獅子が彫刻されている点は、Bタイプの蕃塀と同様の傾向と言えよう。 一方、製作者については、稲沢市天池東八幡社の蕃塀が岡崎市の石工永田清一の作品である他は、不明のままであった。
by banbeimania
| 2010-05-20 22:09
| 蕃塀を深める
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