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全てに獅子紋を置く3間の羽目板部(その6)
3間巾の石造連子窓型蕃塀の羽目板部は大きく11類に区分でき、このうち最初に取り上げる3区画とも獅子紋が表現される事例は7類に細分される。前回は全獅子紋Bタイプの羽目板部について事例を紹介したが、今回は詳しく検討してみたい。
これら8事例を製作年代順に並べると、1924年に稲沢市萩園神社例、1928年に北名古屋市徳重十二所社例とあま市甚目寺日吉社例とあま市安松八劔社例、1936年に大治町堀之内天神社例の順となる。 製作者については、稲沢市萩園神社例を除く4事例全てが名古屋市西区八坂町の石工角田六三郎の作品であった。獅子の表情などを比較してみると、稲沢市萩園神社例のみが彫刻がやや平板で立体性に乏しいのに対し。他の4事例は同じような顔つきをしていることが分かる。 この結果、全獅子紋Bタイプの羽目板部を持つ3間巾の石造連子窓型蕃塀は、最初に1924年に出現し、1928年の1年間に角田六三郎によって集中的に製作されたことが判明した。 また、全獅子紋Aタイプと同様に、全獅子紋Bタイプも前脚に玉を抱えるものとそうでないものに分けることができる。 全獅子紋Bタイプ1類:玉を抱える玉取獅子紋を中央の羽目板部に持つもの。北名古屋市徳重十二所社例、あま市甚目寺日吉社例、大治町堀之内天神社例の3つの蕃塀が該当する。 全獅子紋Bタイプ2類:玉を抱えない獅子紋を中央の羽目板部に持つもの。稲沢市萩園神社例、あま市安松八劔社例の2つの蕃塀が該当する。
by banbeimania
| 2010-07-22 22:29
| 蕃塀を深める
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