3間巾の石造連子窓型蕃塀の羽目板部は大きく11類に区分でき、そのうち両端に獅子紋および中央に牡丹紋を置く事例は6タイプに、さらにその中で両端の獅子は後脚を高くあげて向かい合わせか正面を向き、中央部の牡丹が一輪の花を咲かせ蕾みをいくつか持つ「2獅子1牡丹紋Bタイプ」は4類に細分される。そのうち今回は最後の2獅子1牡丹紋Bタイプ4類を検討してみたい。
中央部の羽目板で1輪の牡丹の花が咲き真上に1つの蕾みを持つ2獅子1牡丹紋Bタイプ4類の羽目板部を持つ3間巾の石造連子窓型蕃塀は、稲沢市大塚八幡社のみに事例が認められる。これを具体的に例示する。
稲沢市大塚八幡社の蕃塀の羽目板部
さて、この稲沢市大塚八幡社の蕃塀は、1937年に正確な名称が不明な石工によって製作されたことが分かっている。