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両端に獅子紋・中央に鯉紋を置く3間の羽目板部(その3)
3間巾の石造連子窓型蕃塀の羽目板部は大きく11類に区分できるが、その中で7番目の、両端に獅子紋、中央に鯉紋を置く事例は全部で8事例存在する。前回までに各事例を具体的に示したが、今回はこれらをもう少し分析してみたい。
さて、これらを製作年代で整理すると、1928年に名古屋市北区大井神社例と稲沢市北麻績神明社例が、1930年に江南市宮後井出神社例が、1931年に稲沢市祖父江山崎神社例が、1935年に稲沢市島本多賀神社例が、1936年にあま市下之森八幡社例が、1998年に北名古屋市二子神明社例が、1999年に清須市阿原河原神社例が、それぞれ製作されたことが分かる。 一方、製作者については、名古屋市北区大井神社例と江南市宮後井出神社例とあま市下之森八幡社例は名古屋市西区の荒木弥助、稲沢市島本多賀神社例は岡崎市の永田嘉七、北名古屋市二子神明社例は田中造園土木による作品であったが、稲沢市祖父江山崎神社、稲沢市北麻績神明社、清須市阿原河原神社の3事例は不明であった。 この結果、中央に鯉の滝登り紋を置く羽目板を持つ石造連子窓型蕃塀は、1930年前後に荒木弥助の作品が多く存在し、その後かなり間を置いて、2000年直前に2事例が製作されたことが判明した。
by banbeimania
| 2010-11-08 20:37
| 蕃塀を深める
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