木造連子窓型蕃塀158例の屋根を支える腕木と肘木の組合せは22類49タイプに区分され、初めにその組合せを市区町村別に整理した。これまでに各タイプの腕木が市町村別にどのように分布しているかを検討してきた。今回からは、腕木の下に存在する肘木が各タイプで市町村別にどのように分布しているかを検討したいと思う。今回は、雲形彫刻入り肘木をみてみよう。
雲形彫刻入り肘木を持つ木造連子窓型蕃塀は全部で33基存在するが、小牧市に10基、春日井市に4基、一宮市と犬山市と清須市に3基、名古屋市昭和区と名古屋市西区と稲沢市と津島市と丹羽郡扶桑町に2基が認められる。この結果、小牧市が突出して多くなっているといえる。
小牧市東田中八所社の蕃塀の腕木と肘木