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犬山市寺下神明社の蕃塀
犬山市大字犬山字寺下に所在する神明社は、応永2年(1395)に創建され、天照大神と日本武尊を祭神にしている。
寺下神明社の蕃塀は3間巾の木造桟瓦葺きである。大きさは概略で、本体長約3.2m、全高約2.4m、屋根長約4.1m、屋根巾約1.9mで、両側に控え柱を持つ。 詳細の構造は次の通り。コンクリートによる基壇上に比較的平らな自然石を一列に並べて礎石とし、その上に角材柱4本を立てている。柱には下から順に腰板の貫、腰長押、内法長押を通し、上端は棟木を渡す。内法長押の直上の角材柱に簡略化した雲形肘木と腕木を配置して表裏両面の桁を支え、垂木を渡して屋根を載せる。屋根は切妻造りの桟瓦葺きで直線屋根となり、大棟の両端には三巴紋鬼瓦が配置される。蕃塀の中央には連子窓が設けられ、連子窓の上には横羽目板が、下には縦羽目板が嵌め込まれている。控え柱は全て木製で、肘木・腕木・垂木などの木口面は白色に塗布されている。 寺下神明社は、正面から鳥居、百度石、蕃塀、壁の無い吹き抜けの拝殿、狛犬があり、基壇上の本殿施設群に至る構成を持っている。蕃塀と他の建造物との調和はよく取れており、これらの施設はほぼ同時に建設されたものと推察する。基礎に円礫に近い自然石を並べた構造を持つ事例は、この例が初めてであるが、他にも類例は存在しそうである。 なお、蕃塀の背面には「ここでボールあそびいけません」の注意書きが貼られていた。蕃塀と拝殿の間がやや広く開いている神社では、時々目にする注意書きである。
by banbeimania
| 2007-03-24 18:12
| 蕃塀の事例
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