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蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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北名古屋市鹿田新宮社の蕃塀

 北名古屋市鹿田字新宮境内附に所在する新宮社は、創建年代は不明である。『師勝町史』によれば、本国帳の「従三位志賀田之天神」であり、貞治3年(1364)読上熱田座主如法院蔵本の「従二位上志賀田天神」であるという。『張州雑志』によれば、古くは熊野荘にあり寛永年間に現在地に遷立して新宮と称したと記されている。現在は速玉男尊・伊津事解命・国常立尊を祭神としている。

 鹿田新宮社の蕃塀は3間巾の石造である。大きさは概略で、本体長約2.6m、全高約2.0m、屋根長約3.1m、屋根巾約0.4mで、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。コンクリート基礎に切り石による礎石を配置し、その上に石造の円柱を2本立てて屋根を載せている。円柱の内側には、下から羽目板部、貫、連子窓部、貫、透かし部の順に石材を積み重ねている。下位の羽目板部には2本の間仕切り状角柱を立てて区画を3つ造るが、区画内には両面とも特別な彫り物は認められない。上位の透かし部には間仕切りがなく、背面(拝殿に面する側)に波涛を泳ぐ双龍が描かれている。円柱の上位に雲形腕木を模した張り出しは存在しない。正面からみて右側円柱の表面に「大正十五年九月」、表面の羽目板部中央の区画に(人名2名)が記されていて、製作年代が判明する。連子窓部は角柱を7本立てて造られる。屋根は寄せ棟状に切り出され、その上に大棟が配置されるが両端が突き出ていない。

 鹿田新宮社は、正面から灯籠、鳥居、蕃塀、灯明台、灯籠、壁の無い吹き抜けの拝殿、狛犬から基壇上の本殿施設群に至る構成となっている。蕃塀は正しく参道の中央に配置されていない点が、これまでの事例とは微妙に異なる点である。『師勝町史』によれば、本殿は昭和34年(1959)に、拝殿は大正9年(1920)に再建されたという。銘文から蕃塀は大正15年(1926)に造立されたことが分かっているので、蕃塀は拝殿と同じ頃できたこととなる。

 鹿田新宮社の蕃塀は3間巾で透かし部に双龍紋を描くものである。このタイプの蕃塀は、北名古屋市二子神明社の蕃塀のように、正面から見える面に双龍紋などの装飾が配置されるのが一般的である。加えて、建立年代や施主などの銘文は、拝殿側に面する裏面に記されるのが通例である。鹿田新宮社の蕃塀は装飾が裏面・銘文が表面に配置されており、表裏逆転した状態である。これはおそらく大正15年(1926)に造立された後に蕃塀が移設され、その際に正しい向きに構築されなかった可能性が考えられる。
(写真は拝殿の側から撮影したものである)
北名古屋市鹿田新宮社の蕃塀_e0113570_031165.jpg

by banbeimania | 2007-04-19 00:32 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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