蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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大口町高橋諏訪社の蕃塀

 丹羽郡大口町高橋1丁目(大字大屋敷字高橋)に所在する諏訪社は、『大口町史』によれば、天文8年(1539)に創立され、建御名方命を祭神としているという。信州から上洛に失敗しこの高橋の地に定着した諏訪三郎時定の三代後の諏訪時儀は、神道を修行した人物で、天文年中に霊夢をみて諏訪明神を勧請し諏訪社を創建したと伝えられる。享保4年(1719)に焼失したがすぐに再建され、元文2年(1737)にも社が零落したが村の小左エ門等が建立したという。

 高橋諏訪社の蕃塀は1間巾の石造で、大きさは概略で本体長約2.7m、全高約2.1m、屋根長約3.4m、屋根巾約0.5mを測り、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。特に基壇を設けず切り石による礎石と布基礎を配置し、礎石上に角柱を2本立てて屋根を載せている。角柱の内側には、下から羽目板部、貫、連子窓部、貫、透かし部の順に石材を積み重ねている。羽目板部は縦板状の石材を8枚並べて造られるが、表面は採掘されたままのような状態で平滑ではない。特に裏側は自然石であることを強調するかのように凹凸が激しい。裏面には、(裏から見て)右端から「寄付者」、「タジミ駅前(人名)」、「ミノセキ(人名)」、「アキタ(人名)」、「アキタ(人名)」と刻まれている。左側角柱の裏には「タジミ橋詰熊本石材店作」と記されている。透かし部は球形の石材を3個配置するのみの構造である。柱の上位に腕木を模した張り出しは存在しない。連子窓部は角柱を10本立てて造られる。屋根は切妻状に近い状態だが一応寄棟状に切り出されており、その上に大棟が配置され両端が大きく突き出ている。

 高橋諏訪社は、石柱、灯籠、鳥居、百度石(新旧両方存在する)、蕃塀、灯籠、狛犬、壁の無い吹き抜けの拝殿から移殿を通じて基壇上の本殿施設群に至る構成となっている。秋田八王子社と施設の配置は酷似している。

 高橋諏訪社の蕃塀は、刻書から岐阜県多治見の石材店によって建造されたことが分かるが、建造年代は不明である。羽目板部に石製縦板を多数使用するこのタイプは、これまで紹介してきた石造蕃塀とは大きく異なるもので、透かし部の作り方も珍しい。連子窓を構成する角柱も貫の厚さに比べて大きく、角柱の端辺が貫からはみ出している状態である。尾張の石工ではない美濃地方の職人が製作するから、こういう相違が出てくるのであろうか?
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by banbeimania | 2007-05-12 00:21 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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