蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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海部郡甚目寺栄須佐之男社の蕃塀

 海部郡甚目寺町大字栄字東郷内に所在する須佐之男社は、古伝によると寛政・享和年間(1789〜1804)の頃に勧請したという(『甚目寺町史』による)。そして、明治17年(1884)に当地栄の氏神となった。祭神は須佐之男命である。

 栄須佐之男社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.2m、全高約2.2m、屋根長約2.8m、屋根巾約0.6mを測り、両側には控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。基壇を持たずコンクリート敷の参道に切り石による礎石と布基礎を配置し円柱を2本立てて屋根を載せている。円柱の内側には下から羽目板部、貫、連子窓部、貫、透かし部の順に石材を積み重ねている。羽目板部は角柱を2本立てて3つの区画に分けており、全ての区画に倒立した獅子紋が彫刻されている。透かし部は双龍紋が施されており、その紋様は1匹の頭部は左端にもう1匹の頭部はほぼ中央に配置されるCタイプであった。左側の羽目板部の裏面には「皇紀二千六百一年」、中央羽目板部の裏面には「寄附者 (人名8名分)」、右側羽目板部の裏面には「ナゴヤ西区八坂町 石工角田六三郎」と刻まれている。円柱上位に雲形腕木を模した張り出しが前後にあり、連子窓部は角柱を7本立てて造られる。屋根は寄せ棟状に切り出され、大棟は少し外側に突き出ている。控え柱も石造で頭部が宝珠に形作られている。

 栄須佐之男社は正面から灯籠、鳥居、蕃塀、灯籠群、壁の無い吹き抜けの拝殿、灯籠群、狛犬、移殿から基壇上の本殿施設群に至る構成を持つ。

 栄須佐之男社の蕃塀は、皇紀2601年(昭和16年、西暦1941年)に石工角田六三郎によって製作されたものである。以前に記述した石造連子窓型蕃塀の透かし部の紋様分析では、Cタイプの石造連子窓型蕃塀は5例存在した。このうち、北名古屋市石橋八幡社の蕃塀は、本蕃塀と同様に石工角田六三郎によって製作されていたことが分かっている。一方で、本蕃塀と同時期(昭和時代前半)に構築された北名古屋市法成寺八劔社の蕃塀(昭和11年)と犬山市楽田神明社の蕃塀(昭和14年)は、製作者は不明となっているが、栄須佐之男社の事例をみると不明であった製作者は案外石工角田六三郎であったかもしれないと思われる。
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by banbeimania | 2007-07-09 22:27 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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