蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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愛西市草平津島社の蕃塀

 愛西市草平町道下に所在する津島社は、拝殿内に掲示された由緒書きによると、草平新田を開墾した農民の五穀豊穣と村内安全の氏神として寛永14年(1637)に津島神社を奉斎し創立されたという。祭神は素盞嗚尊である。

 草平津島社の蕃塀は、2間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.7m、全高約2.0m、屋根長約3.4m、屋根巾約0.4mを測り、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。平面が長楕円形のコンクリート製基壇上に円柱を2本立てて屋根を載せてつくる。円柱の内側には下から貫、羽目板部、貫、連子窓部の順に石材を積み重ねている。本来は連子窓部の上になければならない貫と透かし部を持たないものであり、これまでに無い特異な形状を呈している。羽目板部は角柱を1本立てて2つの区画に分けており、それぞれの区画に龍紋が向き合って彫刻されていた。中央の貫正面に「津嶋社」、両側の円柱正面には「奉納」と記されている。中央角柱の裏面には「大正十一年十一月(人名1名分)」と刻まれている。円柱に腕木などを模した張り出しは無く、連子窓部は円柱を8本立てて造られる。屋根は丸く照り屋根の形状で寄棟に切り出されるが、大棟は外側に突き出ていない。

 草平津島社は正面から灯籠、鳥居、灯籠、蕃塀、灯籠群、狛犬、無い吹き抜けの拝殿から渡殿以降の本殿施設群に至る構成を持つ。

 草平津島社の蕃塀は、大正11年(1922)に製作されたものである。拝殿内に掲示された『津島社由緒』の「津島社式年次略暦表」には「(年次)大正十一年十一月十日 (式典)上棟拝殿祭文殿鳥井其他新設 (神官時代)小川氏」と記されており、蕃塀は拝殿・祭文殿・鳥居と共に製作されたことが判明する。先述したように、透かし部を持たない石造連子窓型蕃塀は本例が初例である。一見、単純に透かし部を省略した形状に見えるが、大正11年製は透かし部を持つものと遜色の無いくらい古い作品であることを示しており、当初からこういう形を意図して製作されたものと考えられる。作者は不明である。
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by banbeimania | 2007-07-18 00:10 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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