蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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稲沢市尾張大国霊神社の蕃塀(1)

 今日からは稲沢市に所在する蕃塀を順次紹介したいと思う。稲沢市内の神社についてはまだ全てを参拝していないが、平成の大合併の影響もありおそらく1・2を争う蕃塀の事例数を誇る地域と予想している。まずは、「国府宮」と呼称される尾張大国霊神社の紹介をしてみたい。尾張大国霊神社の蕃塀は、本ブログトップのロゴ写真のものでもある。

 稲沢市国府宮町1丁目に所在する尾張大国霊神社は、崇神天皇七年に創建されたと伝えられる。これは『日本書紀』崇神天皇七年に大和の大物主を祀った話や八十満の群神を祀ったという記事に準拠した創建年代であろう。祭神は尾張大国霊大神であるが、後に大国主命とする見方が多くなったようである。この尾張大国霊神は、尾張人の祖先が当地を開拓する中で、自分達を養う土地の霊力を神と崇めたものとされる。神社は尾張国府の創始とともに創建されたものとする考えもあり、尾張国の総社とされてきた。境内別宮の大御霊神社(大歳神之御子)・宗形神社(田心姫命)とともに国府宮三社と称する。『延喜式神名帳』では小社に列しており、昭和15年(1940)に国幣小社に列格した。

 尾張大国霊神社の蕃塀は3間巾の木造桧皮葺き連子窓型蕃塀である。大きさは概略で、本体長約5.6m、全高約2.8m、屋根長約7.0m、屋根巾約1.7mで、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。切り石により囲まれた基壇に切り石による布基礎を据え、その上に円柱を4本立て、下から順に貫、腰長押、内法長押を通し、上端は棟木を渡す。内法長押の上に簡略化した雲形の腕木を配置し、表裏両面の桁を支え垂木を渡して屋根を載せている。垂木の先端も雲形に装飾され白色に塗布されている点が特徴的である。屋根は切妻造り、反りを持つ照り屋根で、美しく桧皮葺きされている。大棟は銅板で造られ、その両端には鬼板が配置されている。蕃塀の中央には連子窓が設けられ、その下位には横羽目板が嵌め込まれている。連子窓の上位は透かしとなっていて、これは木造桧皮葺き連子窓型蕃塀には珍しい事例である。控え柱は全て木造である。

 尾張大国霊神社は、正面から一の鳥居、御供所橋、二十五丁橋、二の鳥居、楼門、蕃塀、拝殿、廻廊、祭文殿、釣殿、本殿に至る構成となっている。こうした社殿構成は「尾張造」と呼ばれている。

 尾張大国霊神社の蕃塀は3間巾であり、社格に相応して規模も長大である。連子窓の下位が横羽目板であることや、垂木に装飾が施されることが他の木造連子窓型蕃塀にはあまり類例がなく、精巧な造りである印象を持たせている。
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by banbeimania | 2007-09-01 01:18 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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