蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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稲沢市梅須賀町神明社の蕃塀

 稲沢市梅須賀町中切に所在する神明社については、創建年代など詳細は不明である。『張州府志』(1752)などには神明社の記述は無く、『尾張徇行記』(1792-1822)には「熊野権現・神明宮又白山社、観音堂ノ境内ニアリ」と、『尾張志』(1843)には「牛頭天王社・神明社・権現社 三社同地にて梅須賀村にあり」と記されている。現在は梅須賀町には神明社のみ存在するようなので、3社は合祀されたものであろうか。主祭神は社名からみて天照大神と推察される。

 梅須賀神明社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.7m、全高約2.3m、屋根長約3.5m、屋根巾約0.6mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。切り石で周囲を囲まれたコンクリート製基壇に礎石と布基礎を配置しその上に円柱を2本立てて屋根を載せている。円柱の内側には下から貫、羽目板部、貫、連子窓部、貫、透かし部の順に石材を積み重ねている。羽目板部は円柱を2本立てて3つの区画に分けており、表面は全ての区画で蛇腹状に縦羽目板を模した形に切り出している。中央の羽目板部裏面には「昭和六年十月 寄附人 (地名+人名1名分) 世話人(人名1名分)」と、右側の羽目板部裏面には「岡崎市 (丸に菊字)杉田石材店刻」と刻まれていた。透かし部は中央に円柱が配置され、その両区画には連続する菱形紋の透かしが設けられていた。円柱上位に雲形腕木を模した張り出しが前後にあり、連子窓部は角柱を13本立てて造られる。屋根は寄せ棟状に切り出された強い反り屋根となっており、大棟は外側にわずかに突き出ている。控え柱も全て石製で、頭部は宝珠形に形作られている。宝珠の造作は非常に細やかである。

 梅須賀神明社は、正面から灯籠、鳥居、灯籠、蕃塀、灯籠、狛犬、壁の無い吹き抜けのコンクリート製妻入拝殿、狛犬、灯籠から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿)に至る構成を持つ。

 梅須賀神明社の蕃塀は、昭和6年(1931)に岡崎市の杉田石材店で製作されたものである。現在岡崎市箱柳町に所在する杉田石材店は、同社ホームページ(http://www.sugitasekizai.jp/)によれば、文政11年(1828)に初代甚造が石屋町で開業した由緒ある石工であることが分かる。岡崎市所在の石工が昭和初期の段階で尾張地方の蕃塀を作製した事例は、他に共同石材工による稲沢市増田八幡社の蕃塀(昭和4年)がある。ただし、岡崎市所在の石工が製作する多くの蕃塀は昭和30年以降のものであるといえる。
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by banbeimania | 2007-11-14 22:00 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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