蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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伊勢市皇大神宮の蕃塀(1)

 豊受大神宮(外宮)の蕃塀の次は、皇大神宮(内宮)の蕃塀を紹介していきたいと思う。

 皇大神宮について『ウィキペディア(Wikipedia)』では、次のように解説される。『日本書紀』によれば、天照大神は宮中に祀られていたが、崇神天皇6年、笠縫邑に移し豊鍬入姫命に祀らせた。垂仁天皇25年、倭姫命が後を継ぎ、御杖代として天照大神を祀るための土地を求めて各地を巡った。その途中に一時的に鎮座した場所は元伊勢と呼ばれる。垂仁天皇26年、伊勢国にたどり着いたとき、「この国に留まりたい」という天照大神の神託があり、倭姫命は五十鈴川上流の現在地に祠を建てて祀り、磯宮と称したのが皇大神宮の始まりである。という。

 皇大神宮では蕃塀がいくつか存在することが確認された。このうち、豊受大神宮と同様に、皇大神宮御正宮の東西南北の四面に蕃塀が各1基ずつ存在することが判明している。ここではまず、詳細に観察することができた皇大神宮御正宮南面の蕃塀を紹介する。御正宮南面の蕃塀は3間巾の木造衝立型蕃塀である。大きさは概略で、本体長約6.0m、全高約2.9m、屋根長約7.1m、屋根巾約0.4mで、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。基壇を持たず直接地面に円柱を4本立てて上端に幅広の覆板(笠木)を載せている。参道に敷き詰められた黒玉石の砂利により基礎構造は隠れ不明な点が多いが、全ての柱が掘立柱のように見えた。柱間には自然石を一列に並べ、柱脚に盤(地貫)、柱頭には樋(頭貫)を渡している。柱間壁面は横羽目板を各間に8枚嵌め込まれている。覆板(笠木)は断面形が五角形の角材が用いられていた。表面は鉋で美しく仕上げられ白木のままである。

 皇大神宮御正宮南面の蕃塀は、御正宮の板垣南御門の外側にある。板垣南御門から外に出て石段を下り、西方向に伸びる参道の門に対して反対側の縁に蕃塀は存在する。蕃塀の南側には御贄調舎が所在し、この御贄調舎からの視線を遮断するような形となっている。参道の南縁に並べられた石列に近接して北側に位置している点は、豊受大神宮(外宮)の蕃塀と同様であろう。この蕃塀も参拝者の視線を遮る形に配置されてはいないといえる。

 皇大神宮御正宮南面の蕃塀は、豊受大神宮御正宮南面の蕃塀と極めて近似するが、比べるといくつかの点で異なっている。皇大神宮御正宮南面の蕃塀の方がわずかに規模が小さく、各間に嵌め込まれた横羽目板は豊受大神宮御正宮南面の蕃塀は9枚に対し、皇大神宮御正宮南面の蕃塀は8枚であった。

 いずれにしても、皇大神宮御正宮南面の蕃塀も美しい白木造りで気品に溢れたものといえる。
e0113570_055479.jpg

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by banbeimania | 2007-12-19 01:00 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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