蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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稲沢市祖父江町祖父江広口八幡社の蕃塀

 これまで約10回にわたり伊勢神宮に伴う蕃塀の紹介を行ってきた。ここで一段落したので、再び稲沢市に所在する蕃塀の事例紹介をしていくことにしたい。

 平成の大合併以前の旧稲沢市と旧平和町の蕃塀については、既に68例を紹介してきた。今日からは平成の大合併以降に稲沢市に入った旧中島郡祖父江町に所在する蕃塀を紹介する。この旧祖父江町を網羅すれば、新稲沢市の全ての事例を紹介し終えることとなる。

 稲沢市祖父江町祖父江字広口に所在する八幡社は、創立年代は不詳である。『寛文村々覚書』には下祖父江村には神明二社と八幡二社があると記載されており、この八幡二社のうちの一社である。祭神は誉田別命と思われる。

 祖父江広口八幡社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.8m、現存する全高約2.3m、屋根長約3.5m、屋根巾約0.5mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。コンクリート敷の地面に礎石と布基礎を配置し、その上に円柱を2本立てて屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部(旧透かし部)の順に材を積み重ねている。羽目板部は角柱による束柱を2本立て3区画に分け、欄間部は角柱による束柱を1本立て2区画に分けている。羽目板部と欄間部はともに、表面は隅を丸く加工した方形の単純な形を切り出したままであって装飾的な彫刻などは全く認められない。一方、裏面もほとんどの区画は隅を丸く加工した方形の単純な形を切り出したままであるが、羽目板部の中央区画裏面のみには「昭和六十二年十一月吉日」の文字が刻まれていた。円柱柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を9本立てて竪連子に造られている。屋根は寄せ棟状に切り出された照り屋根で、その上に横断面形が三つ葉状の棟木石を載せる。棟木石の両端は外側に突き出ない形で収まっている。控え柱も全て石製で、頭部は宝珠形に造られていた。

 祖父江広口八幡社は、正面から灯籠、鳥居、蕃塀、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、灯籠、狛犬から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿)に至る構成を持つ。

 祖父江広口八幡社の蕃塀は、昭和62年(1987)に製作されたものであるが、作者は不明である。この蕃塀は、羽目板部や欄間部に彫刻を施さないものでシンプルな造作となっている。ただし、大棟の形状は単純な角材を用いるのではない点が特徴的で、こういう工夫が施された事例は珍しい。
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by banbeimania | 2007-12-26 00:23 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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