蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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名古屋市西区大乃伎神社の蕃塀

 名古屋市西区大野木2丁目に所在する大乃伎神社は、創建年代が不明である。『延喜式神名帳』に「尾張国山田郡大乃伎神社」、『尾張国神名帳』に「従三位大乃木天神」と記載された式内社で、安永8年(1779)の大洪水により記録などが流出したという。昭和11年に社殿が改築されている。祭神は伊弉諾尊・伊弉冉尊・大日孁尊・月讀尊・素盞嗚尊・蛭児尊である。

 大乃伎神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約3.0m、全高約2.6m、屋根長約4.0m、屋根巾約0.7mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。基壇を持たず直接地面に礎石と布基礎を置き、その上に円柱を2本立てて屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を2本立て3区画に分け、その表面は隅を丸く加工した方形の単純な形を切り出したままであって装飾的な彫刻などは全く認められない。内法貫の表面には「御大典記念」、中央の羽目板裏面には「昭和三年十一月吉日建之 寄附者 氏子中」、左側円柱の側面には「ナゴヤ西区キクヰ町二丁目 石工 角田乙吉」の文字が刻まれていた。欄間部は双龍紋が描かれ、その形状は1匹の頭部は左端に、もう1匹の頭部はほぼ中央に配置された中央に「大乃伎神社」と記された扁額を持つものであった。円柱柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を11本立てて竪連子に造られている。屋根は寄せ棟状に切り出された反り屋根で、上部に載せた棟木石の両端は外側に突き出ている。控え柱も全て石製で、柱の頭部は宝珠形になっている。

 大乃伎神社は、正面から灯籠、一の鳥居、二の鳥居、灯籠、蕃塀、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、灯籠から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿)に至る構成を持つ。

 大乃伎神社の蕃塀は、昭和3年(1928)に名古屋市西区菊井町の石工角田乙吉によって製作されたものである。これまで紹介してきた事例の中で石工角田乙吉による蕃塀は9例存在する。このうち、欄間部中央に扁額を持つものは津島市宇治手力雄命社例、稲沢市中之庄天神社例、稲沢市塩江神社例、稲沢市祖父江町三丸渕宮裏神明社例であり、三丸渕宮裏神明社例を除く3例は本蕃塀と同様扁額の上位に隙間を持つものであった。扁額が屋根にまで達していない特徴は、今のところ角田乙吉独特の作風と考えているものである。
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by banbeimania | 2008-01-22 21:51 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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