蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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一宮市瀬部八剱社の蕃塀

 一宮市大字瀬部字大門に所在する八劔社は、創建年代などは不詳である。徳書記の名が見られる慶長10年(1605)の棟札がある。曹洞宗の永昌山観音寺の西隣にあり、この観音寺は、もとは真言宗の巨刹であり、応仁の兵火に遭ったと伝えられている(観音寺ホームページによる)。八劔社では毎年8月に瀬部山車・臼台祭が行われる。社名からみて、祭神は日本武尊と思われる。

 瀬部八剱社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.3m、全高約2.2m、屋根長約3.5m、屋根巾約0.6mを測り、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。切り石を敷き並べたような紋様にみせたコンクリート製基壇に切り石の礎石と布基礎を置き、その上に円柱を2本立てて屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を2本立て3区画に分け、その表面に隅を丸く加工した方形枠が施されている。欄間部は中央に「八劔社」と記された円柱の束柱を1本立て、その両側には隅を丸く加工した方形の透かしが存在する。右側の羽目板裏面には「大正十四年十月 寄附人(人名1名分)建之 岩倉町 石工山本甚五郎」の文字が刻まれていた。円柱柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を9本立てて竪連子に造られている。屋根は寄せ棟状に切り出された直線屋根で、上部に載せた棟木石の両端は外側に突き出ている。控え柱そのものは存在しないが、前後に石製角材が斜めに差し渡されボルトで固定されており、倒壊しないように塀を支えている形状となっていた。

 瀬部八剱社は、正面から一の鳥居、二の鳥居、百度石、太鼓橋、灯籠、蕃塀、灯籠、狛犬4対、基壇上の妻入拝殿から本殿などに至る構成を持つ。

 瀬部八剱社の蕃塀は、大正14年(1925)に岩倉市の石工山本甚五郎によって製作されたものである。山本甚五郎の手による蕃塀は本事例が初例であり、現在の石材店との対応関係は分からなかった。羽目板部や欄間部に彫刻はなく、すっきりした仕上がりとなっている。欄間部の扁額に相当する部分が、単に円柱に文字を刻んだ形となっている事例はこれまでに無く、本蕃塀の最大の特徴となっている。
e0113570_22373193.jpg

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by banbeimania | 2008-02-25 22:40 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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