人気ブログランキング | 話題のタグを見る

蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
カテゴリ
全体
蕃塀とは(はじめに)
蕃塀30選
蕃塀の事例
蕃塀を深める
探索の記録
検索
よろしかったらお願いします。クリック! click!
人気blogランキングへ
にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ

リンク
みちくさ学会
愛知県神社庁
ひなたぼっこ
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2013年 01月
2012年 06月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
最新のコメント
コメントありがとうござい..
by banbeimania at 14:06
3年かけて、こちらで紹介..
by ratama9 at 22:25
いつも情報提供ありがとう..
by banbeimania at 19:19
太田南畝著『壬戌紀行』の..
by ratama9 at 21:30
早速、確認しました。とて..
by banbeimania at 00:26
上記の2冊は「郷土かかみ..
by ratama9 at 21:16
ご教示ありがとうございま..
by banbeimania at 18:21
最新のトラックバック
タグ
(1390)
(152)
(99)
(88)
(86)
(38)
(29)
(25)
(25)
(23)
(19)
(16)
(15)
(12)
(9)
(9)
(8)
(8)
(7)
(5)
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


一宮市春明春日社の蕃塀

 一宮市大字春明字東裏に所在する春日社は、創建年代などは不詳である。春明(明治11年の春明村)は江戸時代の下奈良村と下奈良村酉新田に相当し、『寛文村々覚書』には下奈良村に春日大明神・天王・白山があると記載されている。春日社はこのうちの春日大明神に相当すると思われ、社名からみて祭神は天児屋根命と推察される。

 春明春日社の蕃塀は、2間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.9m、全高約2.3m、屋根長約3.6m、屋根巾約0.6mを測り、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。切り石を敷き並べた基壇に礎石を埋込み、その礎石上に円柱を2本立てて屋根石を載せている。円柱の内側には下から地貫、羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を1本立て2区画に分け、その表面には樹木と鹿の紋様が彫刻されていた。欄間部も円柱の束柱を1本立て、その両側には隅を丸く加工した方形の透かしが存在する。羽目板の裏面には「東京在住有志 (人名9名分)」、右側円柱裏面には「大正七年十月 岡崎 石匠 今井新太郎」の文字が刻まれていた。円柱柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は円柱を14本立てて竪連子に造られている。屋根は寄せ棟状に切り出された直線屋根であるが、屋根面に段を設けている。屋根の上部に載せた棟木石の両端は外側に突き出ている。

 春明春日社は、正面から石柱、灯籠、鳥居、蕃塀、灯籠群、狛犬、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、狛犬から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿など)に至る構成を持つ。

 春明春日社の蕃塀は、大正7年(1918)に岡崎市の石工今井新太郎によって製作されたものである。これまでに確認された蕃塀の中では稲沢市平和町横池神明社の蕃塀(1918年7月:岡崎石工名倉某製作)に次いで2番目に古いものである。また、今井新太郎によって製作された蕃塀には、春日井市如意申六所社の蕃塀(1925)がある。ただ、同じ今井新太郎による作品の中でも、両者は屋根や連子窓部の形状および羽目板部の紋様構成などの構造は大きく異なっており、地域の特徴や要望?に応じて製作活動を行っていた可能性も考えられよう。
 なお、円柱を用いて連子窓部を造るものには、これまで紹介してきた事例の中では愛西市所在の神社で5社、稲沢市所在の神社で6社存在し、その分布には地域的な偏りが認められていた。どうやらこのタイプの蕃塀は一宮市域にも分布しているようである。
一宮市春明春日社の蕃塀_e0113570_2332091.jpg

by banbeimania | 2008-02-27 23:04 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
<< 一宮市春明神明社の蕃塀 一宮市時之島日吉社の蕃塀 >>