蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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一宮市島村若栗神社八幡宮の蕃塀

 一宮市浅井町島村字南裏山に所在する若栗神社八幡宮は、白鳳年間(650〜654)に葉栗臣人麿が先祖の天押帯日子命を祀るために創建したと伝えられる。『延喜式神名帳』に葉栗郡若栗神社と記された式内社である。天文年間(1532〜1554)に八幡神が合祀され、慶長10年(1605)に兼松正吉が八幡宮に改称した。明治2年(1869)に若栗神社に改名し郷社となるが、明治13年(1880)に若栗神社八幡宮に改称し現在に至る。祭神は天押帯日子命と応神天皇である。

 若栗神社八幡宮の蕃塀は、2間巾のコンクリート造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.9m、全高約2.0m、屋根長約3.3m、屋根巾約0.5mを測り、両側に控え柱を持たない。

 本蕃塀は、基本的に石造連子窓型蕃塀の構造を模倣した形状で、全ての部分が一体化した状態として造られている。その元となる石造連子窓型蕃塀の推測される詳細の構造は次の通りである。やや低い基壇に礎石と布基礎を置き、その上に円柱を2本立てて屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部と欄間部はともに幅広の角柱による束柱を1本立て2区画に分け、その表裏両面には全く紋様や装飾が施されていなかった。円柱柱頭に腕木板がなく、連子窓部は角柱を9本立てて竪連子に造られている。右側円柱の裏面には「寄附人 名古屋市 彦坂製綿所 大正十二年十月吉日 工人 壁半」と記された銅板が埋込まれていた。屋根は寄棟状に切り出された照り屋根で、上部に載せた棟木石の両端には鬼板が設置されている。表面は全体的に白色(クリーム色)に塗布されていた。なお、繰り返しになるが、これらの構造は基礎も含めてコンクリートとして一体的に製作されたものである。

 若栗神社八幡宮は、正面から灯籠、一の鳥居、二の鳥居、灯籠、蕃塀、灯籠、基壇上の妻入拝殿、渡殿、灯籠、狛犬から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿など)に至る構成を持つ。

 若栗神社八幡宮の蕃塀は、大正12年(1923)に壁半によって製作されたものである。本蕃塀は、コンクリート造連子窓型蕃塀という珍しい構造を呈している。しかも、その製作年代が大正時代にまで遡る事例は他になく注目に値する。全体のプロポーションは石造連子窓型蕃塀を忠実に模倣しているが、羽目板部や欄間部には紋様が一切施されていない点は技術的な問題なのであろうか。
e0113570_16281148.jpg

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by banbeimania | 2008-03-30 16:28 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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