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一宮市大毛神社の蕃塀
一宮市大字大毛字五百入塚に所在する大毛神社は、昌泰2年(899)創建と伝えられる。『延喜式神名帳』に葉栗郡大毛神社と記された式内社である。祭神は五穀の神である大御食津姫命である。
大毛神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.6m、全高約2.4m、屋根長約3.3m、屋根巾約0.5mを測り、両側には控え柱を持つ。 詳細の構造は次の通り。切り石で囲まれた基壇に礎石と布基礎を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を2本立て3区画に分け、その表面に隅を丸く加工した方形枠が施されている。右側の羽目板裏面には「御大典記念 平成四年三月建之 氏子中」と刻まれ黒色に着色されていた。欄間部は中央に「大毛神社」と記された扁額があり、その両側には透かしとなっていた。右側円柱の裏面には「平成四年三月吉日 関東商事株式会社施工」の文字が刻まれていた。円柱柱頭に腕木板が前後と外側にあり、連子窓部は角柱を9本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、上部に載せた棟木石の両端はわずかに外側に突き出ている。控え柱は全て石製で、頭部は宝珠に形作られている。 大毛神社は、正面から灯籠、鳥居、蕃塀、狛犬、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、灯籠、狛犬から本殿施設群(祭文殿や本殿など)に至る構成を持つ。 大毛神社の蕃塀は、平成4年(1992)に関東商事株式会社により施工されたものである。この関東商事株式会社については、ネット上で、(1)金属加工品・工業材料の販売、(2)業務用のパン・菓子材料・製菓用器具・道具の販売、(3)住宅・ビル等の解体工事、などいくつかの企業が検索されたが、簡単にはこの記述に見合う会社は発見できなかった。蕃塀本体は極めてシンプルな形状であるが、基壇は2段に構成され玉石が敷かれており立派なものとなっている。
by banbeimania
| 2008-04-05 21:20
| 蕃塀の事例
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