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一宮市光明寺神明神社の蕃塀
一宮市大字光明寺字神宮に所在する神明神社は、創建年代などの由緒は不明である。1670年前後に編纂された『寛文村々覚書』には、光明寺村では村中支配の社として神明・八幡・白山権現があると記載されていて、本社はこのうちの神明に該当すると思われる。社名からみて、祭神は天照大神と推測される。
光明寺神明神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.7m、全高約2.1m、屋根長約3.3m、屋根巾約0.6mを測り、両側に控え柱を持たない。 詳細の構造は次の通り。切り石を周囲に巡らせたコンクリート製基壇に布基礎を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を2本立て3区画に分け、その表面に隅を丸く加工した方形枠が施されている。右側の羽目板裏面には「紀元二千五百七十九年一月 (人名4名分)」と刻まれていた。欄間部は中央に「神明社」と記された台形の束柱を立てており、その両側がそのまま透かしの状態となっている。円柱柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を15本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、上部に載せた棟木石の両端は大きく外側に突き出ている。 光明寺神明神社は、正面から鳥居、蕃塀、壁を持たない吹き抜けの妻入拝殿、灯籠、狛犬から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿など)に至る構成を持つ。 光明寺神明神社の蕃塀は、皇紀2579年すなわち大正8年(1919)に製作されたものであるが、作者は不明である。羽目板部の刻文が光明寺愛宕社の蕃塀とよく類似していて、しかも製作年代が同年であることから、両者は同時に発注された可能性が考えられる。また、光明寺神明神社の蕃塀は屋根石の下面が船底状に凹んでいる特徴を持っており、この点は一宮市富塚神明神社の蕃塀に似ている。(4月16日加筆)
by banbeimania
| 2008-04-09 00:07
| 蕃塀の事例
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