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一宮市千秋町加納馬場日吉社の蕃塀
一宮市千秋町加納馬場字郷内に所在する日吉社は、創建年代などの由緒は不詳である。社名からみて、祭神は大山咋神と推測される。
千秋加納馬場日吉社の蕃塀は、2間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.5m、全高約2.3m、屋根長約3.4m、屋根巾約0.7mを測り、両側に控え柱を持つ。 詳細の構造は次の通り。低いコンクリート製基壇に礎石と布基礎を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は幅広の角柱による束柱を1本立て2区画に分け、両羽目板の表面には獅子紋が彫刻されている。一方、羽目板の裏面には両側にわたって「昭和五十五年十二月七日 (人名29名分) 生年月日順」の文字が刻まれていた。欄間部は中央に「日吉社」と彫られた扁額があり、その両側には頭部を両端に配置した双龍紋が描かれていた。龍の髭は非常に長くその表情はユーモラスであった。円柱柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を9本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、上部に載せた棟木石はその両端が外側に突き出ている。控え柱は全て石造で、頭部は宝珠に形作られている。 千秋加納馬場日吉社は、正面から灯籠、石柱、鳥居、蕃塀、灯籠、壁の木造妻入拝殿、狛犬から基壇上の本殿に至る構成を持つ。 千秋加納馬場日吉社の蕃塀は、昭和55年(1980)に製作されたものであるが、作者は不明である。本蕃塀は、欄間部の双龍紋や羽目板部の獅子紋の表情がユーモラスで、他の蕃塀には見られない独特の雰囲気があるといえる。
by banbeimania
| 2008-05-04 22:08
| 蕃塀の事例
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