蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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一宮市門間伊富利部神社の蕃塀

 一宮市木曽川町門間字北屋敷に所在する伊富利部神社は、創建年代などの由緒は不詳である。『延喜式神名帳』に記される葉栗郡伊富利部神社に相当する式内社であり、康正元年(1455)に社殿焼失、弘治2年(1556)に現在地に遷宮、天正10年(1582)に黒田城主沢井左エ門尉雄重が再建したと伝えられる。祭神は若都保命であり、誉田和気尊が配祀される。

 伊富利部神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約4.3m、全高約2.4m、屋根長約5.4m、屋根巾約0.7mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。H字形のコンクリート製基壇に礎石と布基礎を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は角柱による束柱を2本立て3区画に分け、表面は全ての区画に角を丸く加工した二重方形枠が施されている。裏面は中央の区画には「昭和七年五月」、中央の区画には「奉納 (人名1名分) 一宮 石工□□□□」の文字が刻まれていた。欄間部は角柱による束柱を2本立て3区画に分け、角を丸く加工した方形透かしが施されている。円柱の柱頭に腕木板が前後と外側にあり、連子窓部は角柱を16本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された照り屋根で、棟木石は外側に突き出ている。控え柱は全て石製で角柱が用いられており、こうした事例は珍しい。

 伊富利部神社は、正面から一の鳥居(石造)、灯籠群、二の鳥居(木造)、参道の途中に左手に神門、その向かいに蕃塀、神門の奥に灯籠、木造妻入拝殿、灯籠、狛犬、渡殿から本殿施設群(祭文殿や本殿)に至る構成を持つ。

 伊富利部神社の蕃塀は、昭和7年(1932)に一宮の石工によって製作されたが、刻文が風化していたため具体的な作者名は不明である。本蕃塀は参道に対して神門の向かいにあって、蕃塀が参拝者の視界を遮断する形になっていないものである。このような事例は珍しいが、熱田神宮などの一部に同様な配置をもつものがある。また、本蕃塀は長さ(横幅)が長大である点も珍しいといえる。
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by banbeimania | 2008-07-17 23:19 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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