蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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名古屋市守山区大森八劔神社の蕃塀

 名古屋市守山区大森2丁目に所在する八劔神社は、延暦12年(793)に豪族山田連によって創建されたと境内にある由緒書きには記されている。祭神は建速須佐之男命・日本武尊・天之火明命である。

 大森八劔神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約3.3m、全高約2.7m、屋根長約4.5m、屋根巾約0.8mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。切石敷き参道に直接礎石と布基礎を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は幅広の角柱による束柱を2本立て3区画に分け、表面は両端の区画に獅子紋が、中央の区画に虎紋が施されている。裏面は全ての区画に人名が5名分ずつ刻まれている。左側円柱の裏面には「昭和六年三月」、右側円柱の裏面には「ナゴヤ西区八坂町 石工角田六三郎」、腰貫の裏面には「厄歳記念」の文字が記されていた。欄間部は扁額を持たず頭部を両端に置く双龍紋が施されていた。円柱の柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を11本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、棟木石は外側に突き出ている。控え柱は全て石製で頭部は宝珠形となっている。

 大森八劔神社は、正面から灯籠、狛犬、一の鳥居、狛犬、灯籠、二の鳥居、灯籠、三の鳥居、狛犬、灯籠、蕃塀、四の鳥居、灯籠、コンクリート製平入拝殿から本殿施設群(祭文殿や本殿)に至る構成を持つ。

 大森八劔神社の蕃塀は、昭和6年(1931)に名古屋市西区の石工角田六三郎によって製作されたものである。屋根部の用材が白っぽく輝いていて風化が進んでおらず、また腰貫の文字の彫刻も新しく刻まれたと推測されることから、本蕃塀は比較的最近に改修・補修が行われたものと推察される。これまで紹介してきた石工角田六三郎製作の蕃塀は37例存在するが、その内訳は稲沢市17例、一宮市8例、北名古屋市4例、海部郡甚目寺町4例、春日井市2例、愛西市1例、海部郡大治町1例である。角田六三郎は名古屋市に店を構える石工であるが、名古屋市に所在する角田六三郎製作の蕃塀は本事例が初例である。
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by banbeimania | 2008-08-05 00:06 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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