蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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海部郡七宝町沖之島神明社の蕃塀

 今日からは海部郡七宝町に所在する蕃塀を紹介していきたい。

 海部郡七宝町大字沖之島字宮前に所在する神明社は、天正〜文禄年間(1573〜1595)に天照大神と白髭大明神を村の鎮守に祀ったのが起源と、境内にある由緒書きに記されている。平成12年(2000)に社殿が改築造営された。祭神は天照大神と白髭大明神である。

 沖之島神明社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.7m、全高約2.5m、屋根長約3.5m、屋根巾約0.6mを測り、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。コンクリート敷参道が広くなった部分にコンクリート製基壇を持ち、その上に礎石と布基礎を置き円柱を2本立てて屋根石を載せる。基壇は礎石部分を拡張した変形なもので、基壇の周囲にはコンクリート壁が方形に巡らされている。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を2本立て3区画に分け、各区画の表面には角を丸く加工した方形枠が施されている。中央の羽目板裏面には「昭和九年二月建之  寄附者 (人名4名分)」、右側の羽目板裏面には「新川町 石工角田乙吉」の文字が刻まれていた。欄間部は、中央に「神明社」と記された扁額を置き、その両側には角を丸く加工した方形の透かしが配置されていた。円柱の柱頭に腕木板は前後にあり、連子窓部は円柱を10本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、棟木石はわずかに外側に突き出ている。

 沖之島神明社は、正面から灯籠、石柱、一の鳥居、狛犬、右に参道を折れて灯籠、二の鳥居、灯籠、蕃塀、灯籠、狛犬、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、狛犬から基壇上の本殿施設群(本殿や祭文殿など)に至る構成を持つ。

 沖之島神明社の蕃塀は、昭和9年(1934)に名古屋市西区の石工角田乙吉によって製作されたものである。この角田乙吉の手による蕃塀には稲沢市中之庄天神社例(1924)、稲沢市塩江神社例(1926)、稲沢市三丸渕宮裏神明社例(1927)、名古屋市大乃伎神社例(1928)、稲沢市裳咋神社例(1928)、津島市宇治手力雄命社例(1928)、海部郡大治町西条八劔社例(1928)、稲沢市平和町六輪八幡社例(1929)、稲沢市込野富士社例(1931)、名古屋市中村区岩塚七所社例(1931)、名古屋市中村区城屋敷神明社(1935)、稲沢市祖父江高熊八幡社(1937)などがあり、本例で13例目となる。本蕃塀は、周囲を巡る低い壁を持つ基礎構造が珍しいものである。基壇の形状も礎石の配置等に影響を受けた形を成しており、こうした類例も僅少である。
e0113570_20464937.jpg

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by banbeimania | 2008-09-08 20:47 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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