蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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名古屋市北区楠神明社の蕃塀

 今日からは名古屋市北区に所在する蕃塀を紹介していきたい。

 名古屋市北区楠町大字喜惣治新田に所在する神明社は、当地の新田開発を行った開拓者の一人である国枝喜惣治が、享保2年(1717)に伊勢神宮から天照大神を奉受して創建されたと伝えられる。一方で、新田の開拓の始祖林平八の夢枕に神のお告げがあって、流れてきた祠を安置したのが神明社の始まりだという言い伝えもある。祭神は天照大神である。

 楠神明社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.6m、全高約2.1m、屋根長約3.1m、屋根巾約0.5mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。切り石で周囲を囲まれた玉砂利敷基壇に礎石を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から地貫、羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は角柱による束柱を2本立て3区画に分けられているが、表面は全ての区画で無紋のままである。羽目板裏面には全ての区画を用いて「寄附者 (人名38名分)」、右側の羽目板裏面には「昭和六十三年 九月吉日」の文字が刻まれていた。欄間部は、中央に「神明社」と記された扁額を置き、その両側には頭部を両端に置く双龍紋が表現されていた。円柱の柱頭に腕木板は前後と外側にあり、連子窓部は円柱を12本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、棟木石は外側に突き出ていない。控え柱も全て石製で、左側背面の控え柱の2本の控え貫の間には「施工 岡崎石工団地 (屋号)武田石材店 TEL(以下略)」の文字が刻まれた石板が嵌め込まれていた。

 楠神明社は、正面から灯籠、鳥居、蕃塀、狛犬、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、灯籠から基壇上の本殿施設群(本殿や祭文殿など)に至る構成を持つ。

 楠神明社の蕃塀は、昭和63年(1988)に岡崎の武田石材店によって製作されたものである。本蕃塀は、羽目板部の表面が無紋であることや、施工者が控え柱に設置された石板に記されている点が特徴である。また、連子窓部の高さがやや低く、羽目板部の高さがやや高い点は、新しい蕃塀の特徴なのかもしれない。
e0113570_10114089.jpg

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by banbeimania | 2008-09-23 10:12 | 蕃塀の事例 | Comments(2)
Commented by サトシ at 2008-09-23 14:14 x
ちょくちょく拝見させていただいてます。
応援ポチッ!!!
Commented by banbeimania at 2008-09-27 18:54
いつも、感謝です。
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