蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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名古屋市北区楠味鋺神社の蕃塀

 名古屋市北区楠味鋺2丁目に所在する味鋺神社は、創建年代などの由緒は不詳である。『延喜式神名帳』に記される春日部郡味鋺神社に相当する式内社であるが、現在残る最古の棟札は延宝6年(1678)のものである。現社殿は平成3年に改築された。祭神は宇麻志麻治命と味饒田命である。

 味鋺神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約3.5m、全高約2.8m、屋根長約4.3m、屋根巾約0.7mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。切り石で周囲を囲まれた玉砂利敷のコンクリート製基壇に礎石を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から地貫、羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は角柱による束柱を2本立て3区画に分けられているが、表面は左右の区画に獅子紋が、中央の区画に虎紋が表現されていた。羽目板の裏面は左右の区画に波涛上を飛翔する鳥紋が、中央の区画に鳥紋が表現されていた。中央の羽目板裏面の下半には「皇紀二千五百九十八年 昭和十三戊寅年七月 名古屋市中区菊里町 寄進者 (人名3名分)」の文字が刻まれていた。欄間部は、中央に「味鋺神社」と記された扁額を置き、その両側には頭部を中央寄りに置く双龍紋が表現されていた。円柱の柱頭に腕木板は前後と外側にあり、連子窓部は円柱を15本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、棟木石は2段構造を持ち上位の石材は外側に突き出ている。控え柱は全て石製で、右側背面の控え柱裏面には「岡崎市門前町 石匠 杉浦銓次」の文字が刻まれていた。

 味鋺神社は、正面から灯籠、鳥居、蕃塀、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿から基壇上の本殿施設群(本殿や祭文殿など)に至る構成を持つ。

 味鋺神社の蕃塀は、昭和13年(1938)に岡崎市の石工杉浦銓次によって製作されたものである。石工杉浦銓次について特定することが現在のところできていない。本蕃塀は規模が大きく雄大であり、羽目板部の裏面まで彫刻が施されていた。式内社の格に相応しい風格のある石造連子窓型蕃塀であると評価できよう。
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by banbeimania | 2008-09-25 22:25 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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