蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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名古屋市北区大井神社の蕃塀

 名古屋市北区如意2丁目に所在する大井神社は、社伝によれば和銅・養老年間に産土神として勧請せられたという。『延喜式神名帳』に記される山田郡大井神社に相当する式内社である。本殿は嘉吉2年(1442)に再建され、元禄11年(1698)に再造立されたが、現在の社殿は昭和62年(1987)に造営されたものである。祭神は罔象女命・速秋津彦命・速秋津彦姫命であり、塩竈六所大明神を相殿神とする。

 大井神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.7m、全高約2.5m、屋根長約3.6m、屋根巾約0.7mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。コンクリート敷参道に礎石と布基礎を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を2本立て3区画に分けられているが、表面は左右の区画に獅子紋が、中央の区画に鯉の滝登り紋が表現されていた。羽目板裏面は、左側の区画に「昭和三年御大典記念」、中央の区画に「寄附人 (人名4名分)」、右側の区画に「東ビワジマ町 石工荒木弥助」の文字が刻まれていた。欄間部は、中央に「大井神社」と記された扁額を置き、その両側には頭部を中央寄りに置く双龍紋が表現されていた。円柱の柱頭に腕木板は前後にあり、連子窓部は円柱を10本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された直線屋根で、棟木石は外側に突き出ている。控え柱は全て石製で、頭部は宝珠に形作られている。

 大井神社は、正面から灯籠、鳥居、灯籠、狛犬、蕃塀、灯籠、木造妻入拝殿、渡殿、灯籠から基壇上の本殿施設群(本殿や祭文殿など)に至る構成を持つ。

 大井神社の蕃塀は、昭和3年(1928)に名古屋市西区東枇杷島の石工荒木弥助によって製作されたものである。これまでに確認された石工荒木弥助の手による石造蕃塀には、一宮市丹陽外崎八幡社の蕃塀(1918)、稲沢市治郎丸天神社の蕃塀(1922)、北名古屋市九ノ坪十所社の蕃塀(1931)、海部郡甚目寺町方領八幡社の蕃塀(1935)、稲沢市儀長貴船社の蕃塀(1936)、海部郡七宝町下之森八幡社の蕃塀(1936)、七ツ寺十五所社の蕃塀(1937)、西春日井郡豊山町豊場八所神社の蕃塀(1938)の8事例がある。また、東枇杷島町の荒木石材店の作品には海部郡大治町花常八幡社の蕃塀(1955)がある。石工荒木弥助の作品には羽目板部に彫刻がないものが多いが、本蕃塀は細かな彫刻が施された作品である。
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by banbeimania | 2008-09-26 22:32 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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