蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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名古屋市北区羊神社の蕃塀

 名古屋市北区辻町5丁目に所在する羊神社は、創建年代などの由緒は不詳である。この地の領主である羊太夫が火の神を祀ったといわれ、羊神社と呼び称えるようになったと伝えられる。『延喜式神名帳』に記される山田郡羊神社に相当する式内社で、本殿は慶長18年(1612)に再建され、天保9年(1838)に改築され今日に至る。祭神は天照大神・火之迦具土神である。

 羊神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.9m、全高約2.6m、屋根長約3.4m、屋根巾約0.6mを測り、両側に控え柱を持つ。

 詳細の構造は次の通り。切り石で周囲を囲まれた玉砂利敷のコンクリート製基壇に礎石と布基礎を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を2本立て3区画に分けられているが、表面は左右の区画に獅子紋が、中央の区画に羊紋が彫刻されていた。中央の羽目板裏面には横書きで「奉納 昭和35年10月建之 (人名18名分) 岡崎市KK加納石材店」の文字が刻まれていた。欄間部には、中央に扁額を持たず頭部を中央と左寄りに置く双龍紋が表現されていた。円柱の柱頭に腕木板は前後にあり、連子窓部は円柱を13本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、棟木石は外側に突き出ている。控え柱は全て石製で、頭部は宝珠に形作られている。

 羊神社は、正面から灯籠、鳥居、灯籠、蕃塀、狛犬、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、渡殿から基壇上の本殿施設群(本殿や祭文殿など)に至る構成を持つ。

 羊神社の蕃塀は、昭和35年(1960)に岡崎市の加納石材店によって製作されたものである。株式会社加納石材店は、明治20年(1887)に岡崎市花崗町で創業され、昭和25年(1950年)に株式会社へ組織変更された石材店である。本蕃塀は中央の羽目板裏面に記された文言が横書きである点が極めて珍しい。横書きに伴い年月日も算用数字で表現されており、加納石材店の現代に合わせた斬新な作風を見て取ることができる。しかし、本蕃塀の最大の特徴は、社名に合わせて羽目板部に羊紋が描かれていることであろう。
e0113570_18495930.jpg

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by banbeimania | 2008-09-27 18:50 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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