蕃塀(ばんぺい)にこだわったブログです。蕃塀は神社の拝殿の前にある衝立状の塀です。
by banbeimania
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江南市草井天神社の蕃塀

 江南市草井町宮東に所在する天神社は、創建年代などの由緒は不明である。『寛文村々覚書』には草井村に天道・神明・天神・天王の4社があると記される。御囲い堤が構築される以前では草井村は数個の島で構成されており、そのうちの一つの大野島に天神社が祀られ川島天神または大野天神と称されていたと伝えられる。天神社は大永年間(1521〜1528)に洪水により流出し現在地に遷座したという。なお、神明と天王は明治末年に天神社に合祀された。祭神は草比売神・菅原道真・天照大神・須佐之男尊・豊受比売神である。

 草井天神社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約3.2m、全高約2.4m、屋根長約4.1m、屋根巾約0.9mを測り、両側には控え柱を持たない。

 詳細の構造は次の通り。切り石で周囲を囲まれたコンクリート製基壇に礎石と石製布基礎を置き、礎石上に円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は円柱による束柱を2本立て3区画に分けられ、表面は全ての区画で角を丸く加工した方形枠が設けられていた。左側の羽目板裏面には「區長(人名6名分)氏子総代(人名8名分)普請係(人名13名分)」、中央の羽目板裏面には「區會議員(人名20名分)組總代(人名10名分)」、右側の羽目板裏面には「組惣代(人名33名分)」、左側の円柱裏面には「天神社改築紀念」、右側の円柱裏面には「昭和三年八月建之 柏森 石工伊神賢寿」の文字が記されていた。欄間部は中央に「天神社」と刻まれた扁額を置き、その両側では角を丸く加工した方形透かしが設けられ、透かしの中には梅紋が描かれた円柱形の石材が配置されていた。円柱の柱頭に腕木板は前後と外側にあり、連子窓部は角柱を13本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された反り屋根で、棟木石は外側に突き出ている。

 草井天神社は、正面から灯籠、鳥居、百度石、蕃塀、狛犬、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、狛犬、渡殿から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿など)に至る構成を持つ。

 草井天神社の蕃塀は、昭和3年(1928)に丹羽郡扶桑町柏森の石工伊神賢寿によって製作されたものである。この伊神賢寿という石工については、現在のところ特定できていない。欄間部の透かし部分に配置された梅紋の石製飾りのあり方は、本蕃塀が初例である。また、円柱の柱頭にある腕木板の形状も独特のスタイルを持っている。
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by banbeimania | 2009-01-26 22:36 | 蕃塀の事例 | Comments(0)
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