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江南市飛高白山社の蕃塀
江南市飛高町宮町に所在する白山社は、『尾張徇行記』によれば寛永15年(1638)に創建されたという。昭和55年(1980)に社殿が改築された。祭神は菊理媛神である。
飛高白山社の蕃塀は、3間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約2.9m、全高約2.5m、屋根長約3.4m、屋根巾約0.7mを測り、両側に控え柱を持つ。 詳細の構造は次の通り。切り石で周囲を囲まれたコンクリート製基壇に礎石と石製布基礎を置き、礎石上に円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は角柱による束柱を2本立て3区画に分けられ、表面は左側の区画で獅子紋、中央の区画で亀甲に唐花紋?、右側の区画で牡丹紋が表現されていた。中央の羽目板裏面には「昭和五十三年九月 知命記念 當所(人名1名分)」の文字が記されていた。欄間部は角柱による束柱を2本立て3区画に分けられ、全ての区画で角を丸く加工した方形透かしが施されていた。円柱の柱頭に腕木板は前後にあり、連子窓部は角柱を11本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された照り屋根で、棟木石は外側に突き出ていない。控え柱は全て石製で、その頭部は宝珠に造られていた。 飛高白山社は、正面から神門、灯籠、鳥居、百度石、太鼓橋、灯籠、百度石、蕃塀、灯籠、狛犬、灯籠、狛犬から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿など)に至る構成を持つ。 飛高白山社の蕃塀は、昭和53年(1978)に製作されたものだが、作者は不明である。社殿の改築に伴い、本蕃塀も造営されたものと考えられる。羽目板部の紋様構成は、江南市前野天満社の蕃塀と良く似ていると感じられる。
by banbeimania
| 2009-01-31 22:46
| 蕃塀の事例
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