今回は、全部で368基存在する石造連子窓型蕃塀の全高について検討する。
私が、石造連子窓型蕃塀の全高としたのは、地面または基壇の上面から屋根の大棟の上端までの距離(写真参照)である。従って、この「全高」は基壇を含まないが、礎石や布基礎や土台木を含む数値である。計測の方法は、本体長と同様、1mの物差しをおおむね蕃塀中央に置いた状態で正面から写真撮影し、その画像から計算したものであって、実測値ではない。ここではこの数値を用いて検討したい。
この結果、石造連子窓型蕃塀の全高は、約1.5mから約3.4mまで分布することが明らかとなった。全高の分布頻度を示したのが、下記のグラフである。
グラフをみると、本体長や屋根長と比べて、やや美しい正規分布をしていることが分かる。