頭部を左端と中央付近に据える双龍紋が表現される欄間部は6タイプに分かれているが、これまでにDタイプまで紹介してきた。次は、頭部左端&中央型双龍紋Eタイプを取り上げてみる。扁額を持たず、端部のみに透かしがある頭部左端&中央型双龍紋Eタイプの欄間部を持つ石造連子窓型蕃塀には、稲沢市島町二ノ宮社と稲沢市横野神明社の2例が存在する。
稲沢市島町二ノ宮社の蕃塀の欄間部
稲沢市横野神明社の蕃塀の欄間部
この2基の製作年と製作者に着目すると、稲沢市島町二ノ宮社の蕃塀は製作年と製作者ともに全く不明であるが、稲沢市横野神明社の蕃塀は1931年に石松によって造られていることが分かる。両者は雲海の表現方法が類似しているように私には見え、同じグループとは言ってもよいものと考えたい。(2009年9月21日写真入れ替え)