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名古屋市熱田神宮の蕃塀(3)
名古屋市熱田区神宮1丁目に所在する熱田神宮の蕃塀については、すでに事例紹介している。しかし、これは平成21年(2009)10月に建て替えられる前の蕃塀であり、現在は新しく蕃塀が新造されている。今回はこの新蕃塀を紹介する。
熱田神宮は平成25年(2013)に創祀1900年の節目を迎えるに際して、平成19年(2007)から記念造営事業を行っている。このうち、蕃塀は本宮社殿などとともに改築され、平成21年(2009)10月に「本宮遷座祭」が行われた際に披露された。 この熱田神宮の蕃塀(新)は3間巾の木造衝立型蕃塀で、大きさは概略で本体長約6.5m、全高約3.0m、屋根長約7.5m、屋根巾約0.4mを測り、両側に控え柱を持たない。 詳細の構造は次の通り。自然石で周囲を巡らせた白色玉石敷きの基壇に礎石を一列に並べ、その上に円柱を4本立てて巾を3間とし上部に屋根(笠木)を載せている。腰板(礎石直上)の貫と笠木直下の貫を渡し、その間の塀本体は横羽目板が嵌め込まれている。羽目板は各間に節をほとんど持たない美しい板目板材が6枚使用されていた。笠木(屋根)は断面がホームベース形の五角形となっていて、上面に銅板が葺かれている。 蕃塀の配置については、本宮の拝所である外玉垣御門の正面の位置にあり、現在の参道の縁に所在する。したがって、現状では参拝者に対して目隠しをするような配置とはなっていない。 さて、この熱田神宮の蕃塀(新)と建て替えられる前の蕃塀(旧)を比較してみる。蕃塀が建てられた位置は不変で、かつ基壇は全く同一であり、旧来のものをそのまま活用されていたようである。規模や構造もほぼ同一であったが、唯一変化が見られたのは腰板の貫の構造である。蕃塀(旧)では白木のままであったのが、蕃塀(新)では笠木と同様に上面に銅板が葺かれていた。また、4本の円柱の最下部も蕃塀(新)では銅板が巻かれていた。これらの構造は風雨による腐食を防ぐための工夫と考えられ、前代の蕃塀を改良したものと理解される。こうした工夫は、伊勢神宮の蕃塀には認められないが、20年ごとに御遷宮を行わない熱田神宮の蕃塀には必要な処置であったと理解されよう。 ![]() ■
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by banbeimania
| 2010-05-05 21:55
| 蕃塀の事例
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