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3区画とも異なる紋様を置く3間の羽目板部(その5)
3間巾の石造連子窓型蕃塀の羽目板部は大きく11類に区分できるが、そのうち、3区画とも異なるモチーフの紋様を置く事例は6類に分類できる。今回は、右側に兎、左側に波涛上を飛翔する鳥が表現される「3ばらばら紋Cタイプ」を検討する。
この3ばらばら紋Cタイプの羽目板部を持つ3間巾の石造連子窓型蕃塀は、江南市宮田大明神社と江南市宮田川島神社の2社に事例が認められる。これを具体的に例示する。 さて、これらを製作年代で整理すると、1923年に宮田川島神社例が、1929年に宮田大明神社例が、それぞれ製作されたことが分かる。また、製作者については、宮田川島神社例は江南市草井の石工伊神仙太郎、宮田大明神社例は不明であった。中央の羽目板部には、宮田大明神社例は虎紋、宮田川島神社例は龍紋がそれぞれ表現されていた。 この結果、右側に兎、左側に波涛上を飛翔する鳥を描く羽目板を持つ石造連子窓型蕃塀は大正時代末期から昭和時代初期に製作された古いタイプと考えることができる。江南市にのみ分布しており、一方の作者が地元の石工伊神仙太郎によるものであることから、残る一方も伊神仙太郎によるものかもしれない。
by banbeimania
| 2010-12-12 10:00
| 蕃塀を深める
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