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石造連子窓型蕃塀の羽目板部の変遷(その5)
現在は、24類103タイプ133種に区分した359基の石造連子窓型蕃塀の羽目板部について、蕃塀の製作年ごとに事例数を数えるとどうなるか検討している。これまでに、1911年〜1933年に登場した81種の羽目板部を概観した。今回は1934年〜1940年の間に初登場した28タイプの羽目板部をみていきたい。
まず、前回までに1924年〜1933年では平均5〜6タイプが新出していたことが判明しているが、それ以降はどうであろうか。1934年〜1940年の間について新出事例が多い順に並べてみると、1937年には7タイプ、1934年〜1936年には5タイプ、1940年には3タイプ、1939年には2タイプ、1938年には1タイプとなっている。結果、1937年までは平均して1年に5タイプ以上が創出されているが、それ以降は減少していることが明らかになった。そして1941年以降は、蕃塀の製作がしばらく途絶えることとなる。 さて、この28タイプを24類の大別にまとめてみると、3間全獅子タイプ(7種中2種)、3間全方形枠タイプ(30種中4種)、3間2獅子諸紋タイプ(17種中5種)、3間2獅子牡丹タイプ(14種中5種)、3間2獅子虎紋タイプ(12種中5種)、3間(ばらばら)諸紋タイプ(6種中1種)、2間両獅子タイプ(6種中4種)、2間両鳥タイプ(3種中1種)、2間方形枠タイプ(4種中1種)、となる。このようにして見ると、獅子紋が関係するものの割合がさらに増して7割5分(21種)を占めていることが分かる。 1920年〜1933年と同様に、1934年〜1937年の間もの間は新しいタイプの羽目板部を持つ石造連子窓型蕃塀を多産し、造立件数も多かった。羽目板部の内容も、より一層、獅子紋を主体にしたものが多く出現しているといえよう。中でも、両側に獅子紋と中央に牡丹紋を彫刻した「3間2獅子牡丹タイプ」が目立ち始めるようになる点を注目したい。
by banbeimania
| 2011-01-05 00:31
| 蕃塀を深める
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