木造連子窓型蕃塀の屋根を支える腕木と肘木は、装飾のあり方から大きく22類に区分でき、その中で「簡略雲形腕木と湾曲肘木の組合せ」の事例は6類に細分できる。次に、簡略雲形腕木と湾曲肘木Eタイプを取り上げる。
簡略雲形腕木と湾曲肘木Eタイプは、肘木の先端下半をわずかに湾曲しつつも急な斜めに削られていて、腕木の先端を方形に切り取り桁をはめ込むもので、このタイプの木造連子窓型蕃塀には、一宮市鞆江神社に事例がある。これについて詳しく検討したい。

一宮市鞆江神社の蕃塀の腕木と肘木
鞆江神社の蕃塀は1製作年代と製作者は不明である。3間巾の木造連子窓型蕃塀で、屋根は銅板一文字葺き屋根となっており、比較的重厚な作品である。