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石造連子窓型蕃塀の龍(3)
今日はまず、石造連子窓型蕃塀の透かし部のうちCタイプについて詳しく述べたい。Cタイプは2匹の龍が向かい合うが、1匹の頭部は左端に、もう1匹の頭部はほぼ中央に配置されるものである。
Cタイプの石造連子窓型蕃塀の中で最も古いものは、北名古屋市石橋八幡社の蕃塀(大正15年8月)で、昨日紹介した名古屋市西区八坂町の角田六三郎の作品である。Aタイプとは、右側の龍の頭部の位置が異なるだけでその他の特徴は類似しており、AタイプとCタイプとの関連性は高いと言えるかも知れない。 しかし、石橋八幡社を除くと、Cタイプの石造連子窓型蕃塀は北名古屋市法成寺八劔社(昭和11年)・犬山市楽田神明社(昭和14年)・北名古屋市二子神明社(平成10年)・弥富市鳥ヶ地八王子社(平成12年)で認められており、Aタイプに比べると新しい製作年代のものが多い。Bタイプも、丹羽郡大口町秋田八王子社(昭和5年)を除くと、全て昭和後期以降の作品で、・丹羽郡大口町上小口白山社(昭和55年)・北名古屋市宇福寺天神社(昭和63年)・丹羽郡大口町河北神明社(平成4年)・海部郡蟹江町蟹江新町日吉社(平成6年)となっている。 一方、1匹の龍が左向きに配置されるEタイプは、丹羽郡大口町余野神社の蕃塀のみであるが、これまで紹介してきた石造連子窓型蕃塀の中では最も古い大正9年のものである。 この結果を単純に総合すると、下記のような図式になるが、果たして本当にそうなのかは、全ての蕃塀を調査蒐集した上で結論づけなければならないだろう。 大正一桁 大正二桁 昭和戦前 昭和後半 平成年間 Eタイプ → Cタイプ → Cタイプ → ? → Cタイプ Aタイプ → Aタイプ Bタイプ → Bタイプ → Bタイプ
by banbeimania
| 2007-06-12 00:02
| 蕃塀を深める
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