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津島市津島神社の蕃塀(1)
津島市神明町に所在する津島神社は、古くは津島牛頭天王社と称し全国に約3000もの分社を持つ神社である。社伝によれば、欽明天皇元年(540)に鎮座したというが、延長5年(927)に成立した『延喜式神名帳』には記載されていない。津島社の初現は、名古屋大須七ツ寺所蔵国宝一切経の奥書で、これは安元元年(1175)から治承2年(1178)に書写されたものである。以降、様々な記録によって津島社は有勢の社として知られ、室町時代以降は牛頭天王社と呼ばれた。建速須佐之男命と大巳牟遅命を祭神とする。
津島神社の蕃塀は3間巾の木造桧皮葺き連子窓型蕃塀である。大きさは概略で、本体長約5.8m、全高約3.6m、屋根長約7.5m、屋根巾約2.5mで、両側に控え柱を持つ。昭和56年2月23日に、釣殿、祭文殿、廻廊、拝殿、摂社弥五郎社本殿及び拝殿、居森社本殿、荒御魂社本殿、八柱社本殿と合わせて愛知県文化財に指定された。 詳細の構造は次の通り。切り石による礎石と布基礎を据え、礎石上に円柱を4本立て、下から順に貫、腰長押、内法長押を通し、上端は棟木を渡す。内法長押の上に雲形肘木と簡略化した雲形の腕木を配置し、表裏両面の桁を支え垂木を渡して屋根を載せている。屋根は切妻造りで反りを持っており、桧皮が美しく葺かれている。大棟は銅板で造られ、その両端には鬼板が配置されている。蕃塀の中央には連子窓が設けられ、その上には横羽目板が、下には縦羽目板が嵌め込まれている。控え柱は全て木造である。柱、貫、長押、棟木、肘木、腕木、桁、垂木、控え柱などは赤色に塗布され、屋根の裏板と上下の羽目板は白色に、連子窓は緑色に、肘木と腕木の先端部は黄色に塗られている。 津島神社は、正面から鳥居、南門、蕃塀、拝殿、廻廊、祭文殿、釣殿、本殿に至る構成となっている。こうした社殿構成は「尾張造」と呼ばれている。 津島神社の蕃塀は3間巾であり、社格に相応して規模も長大である。蕃塀としては唯一県指定文化財である本事例は、これまでに紹介してきた木造連子窓型蕃塀の構造と比べてもそれほど異ならない。屋根が桧皮葺きで大棟に銅板を用いること、連子窓の目がやや細かいこと、および彩色が美しいなどの特徴があり、総体的に非常に丁寧に製作されたものと評価できる。
by banbeimania
| 2007-08-07 00:00
| 蕃塀の事例
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