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春日井市松本町諸大明神社の蕃塀
春日井市松本町字宮下に所在する諸大明神社は、創建年代などの由緒は不詳である。『郷土誌かすがい第35号』によれば、円福寺文書に前回紹介した白山神社を「東の宮」といい、松本の諸大明神社を「西の宮」と称し、両社共に総氏神であった(文明9年)と記されているという。社殿は昭和45年(1970)に改築され、その記念碑が境内に立っている。祭神は不詳である(調べきれなかった)。
松本諸大明神社の蕃塀は、3間巾の木造銅板葺き連子窓型蕃塀である。大きさは概略で、本体長約3.1m、全高約2.4m、屋根長約4.1m、屋根巾約1.9mで、両側に控え柱を持つ。 詳細の構造は次の通り。やや低いコンクリート製基壇に切り石の礎石と布基礎を置き、その上に円柱を4本立てて下から順に地貫、腰長押、内法長押を通し、上端は棟木を渡す。内法長押の上に簡略化した雲形肘木と雲形腕木を架し、表裏両面の出桁を支え垂木を渡して屋根を載せている。屋根は切妻造りの反り屋根で、銅板が一文字葺きされ、大棟の両端には鬼板が置かれている。蕃塀の中央には竪連子窓が設けられ、その上下には縦羽目板が嵌め込まれていた。控え柱は全て木製で造られている。基本は白木造りであるが、竪連子窓は茶褐色に、肘木・腕木と垂木の先端は白色に塗布されていた。 松本諸大明神社は、灯籠、鳥居、階段を上ると蕃塀、壁の無い吹き抜けのコンクリート製妻入拝殿から本殿施設群(祭文殿や本殿)に至る構成を持つ。 松本諸大明神社の蕃塀は、製作年代や作者は不明である。材の状態があまり風化しておらず、社殿が改築された昭和45年(1970)かそれ以降に建てられたものと推察される。連子窓を周囲の材よりも暗い色合いに塗布されており、私には全体として落ち着いた蕃塀となっているように感じられる。
by banbeimania
| 2008-02-04 00:41
| 蕃塀の事例
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