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一宮市丹陽町三ツ井休郷八幡社の蕃塀
一宮市丹陽町三ツ井字休郷に所在する八幡社は、創建年代などの由緒は不詳である。社名からみて、祭神は応神天皇と推測される。
丹陽三ツ井休郷八幡社の蕃塀は、2間巾の石造連子窓型蕃塀で、大きさは概略で本体長約1.8m、全高約2.1m、屋根長約2.4m、屋根巾約0.5mを測り、両側には控え柱を持たない。 詳細の構造は次の通り。低いコンクリート製基壇に礎石と布基礎を置き、円柱を2本立ててその上に屋根石を載せる。円柱の内側には下から羽目板部、腰貫、連子窓部、内法貫、欄間部の順に材を積み重ねている。羽目板部は角柱による束柱を1本立て2区画に分け、両羽目板の表面には波涛上に飛翔する鳥紋が彫刻されている。左側の羽目板裏面には「昭和九年四月」、右側の羽目板裏面には「寄附人 (年齢+人名1名分) ナゴヤ西区八坂町 石工角田六三郎」の文字が刻まれていた。欄間部は下半に石板を置きその上位が透かし状になっている。石板には丸に五三桐紋が2個描かれていた。円柱柱頭に腕木板が前後にあり、連子窓部は角柱を5本立てて竪連子に造られている。屋根は寄棟状に切り出された直線屋根で、上部に載せた棟木石はその両端がわずかに外側に突き出ている。 丹陽三ツ井休郷八幡社は、正面から灯籠、石柱、鳥居、蕃塀、灯籠、木造妻入拝殿、狛犬から基壇上の本殿に至る構成を持つ。 丹陽三ツ井休郷八幡社の蕃塀は、昭和9年(1934)に名古屋市西区の石工角田六三郎によって製作されたものである。これまで紹介してきた石工角田六三郎製作の蕃塀は29例存在するが、その多くは稲沢市に存在し、一宮市内では角田六三郎の作品は丹陽三ツ井休郷八幡社の蕃塀が初例である。具体的には、稲沢市で17例<船橋熊野神社・北市場立部社・高重郷クロ神明社・清水神社・桜木宮前八坂社・木全八幡社・高重屋敷神明社・河俣下神社・下津寺前八幡社・法花寺日吉社・池部神明社・込野八龍社・福島町神明社A・附島八幡社・祖父江町山崎川原神明社・平野町八幡社・日下部3丁目神明社)、北名古屋市で4例(西之保喰守社・石橋八幡社・徳重十二所社・山之腰天神社)、海部郡甚目寺町で4例(小路神明社・甚目寺日吉社・本郷八幡社・栄須佐之男社)、春日井市で2例(稲口津島社・朝宮神社)、愛西市で1例(日置八幡宮)、海部郡大治町で1例(堀之内天神社)である。
by banbeimania
| 2008-05-15 23:03
| 蕃塀の事例
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