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江南市上奈良神明社の蕃塀
江南市上奈良町神明に所在する神明社は、元和8年(1622)に伊勢より皇大神宮を勧請して創建されたという。祭神は天照大神である。
上奈良神明社の蕃塀は、3間巾の木造銅板葺き連子窓型蕃塀である。大きさは概略で、本体長約2.9m、全高約2.7m、屋根長約4.2m、屋根巾約1.8mで、両側に控え柱を持つ。 詳細の構造は次の通り。土中に埋もれつつあるコンクリート製基壇に石製布基礎を置き、その上に円柱を4本立てて下から順に地貫、腰長押、内法長押を通し、上端は棟木を渡す。内法長押の上位に方形肘木と方形腕木を架し、表裏両面の出桁を支えまばらに垂木を渡して屋根板を載せている。屋根は切妻造りの反り屋根で、銅板が一文字葺きされていた。大棟も銅板で造られ、その両端には鬼板が置かれている。蕃塀の中央には竪連子窓が設けられており、その上下には縦羽目板が嵌め込まれていた。控え柱は石製、控え貫は木製で造られている。 上奈良神明社は、正面から神門、一の鳥居、二の鳥居、灯籠、百度石、蕃塀、狛犬群、壁の無い吹き抜けの妻入拝殿、灯籠、渡殿から基壇上の本殿施設群(祭文殿や本殿など)に至る構成を持つ。 上奈良神明社の蕃塀は、製作年代や作者は不明である。木造連子窓型蕃塀は肘木と腕木の装飾の組み合わせで9つの類型に分けることができ、肘木と腕木が共に方形となるもの(Eタイプ)は旧丹羽郡に多く見られると以前に考察した。本蕃塀はこのEタイプに属しており、先の推測を追認する資料となったといえよう。また、旧丹羽郡では、本蕃塀のように基壇に石製布基礎を置き、その上に円柱を立てるものが多いとも感じられる。
by banbeimania
| 2009-02-13 00:54
| 蕃塀の事例
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